脚本コース

映画作りの要となる「脚本」を軸に、
多様な映画表現の可能性を探求していく

発想を物語へと膨らませる思考力を磨き、シナリオ作法を身につけるとともに、ドラマの本質と演出の技術についての理解を深め、多様な映画表現の可能性を探求します。

脚本コース

コース紹介

学びのポイント

POINT 1

発想力を磨くための演習や即興によるセリフ作りなどを通して、各自に潜在している脚本を書くための力を高める基礎訓練を行います。

POINT 2

小説、漫画、詩などの他ジャンルの表現を脚本にすることで徹底したスキルを学びます。

POINT 3

シナリオ作家の登竜門“新人シナリオコンクール”など外部のコンクール応募・受賞を目標とします。

学びの流れ

2年次前期
(文章系合同)

活字出版の基本を身につける「雑誌制作」

機関誌『日本映画大学だ!』を制作することで、企画、編集、原稿執筆からデザイナー・印刷所とのやりとりまで、紙媒体が出版されるまでの⼀連の制作フローを学びます。また、活字として表現されることの責任を理解します。


2年次後期
(文章系合同)

直感を基にしたアプローチ、即興(インプロビゼーション)による体験など様々な方法で「物語を産み出す発想演習」

見る、聞く、感じる、気づく——様々な事象や表現に接することで浮かんだ「直感/直観」を足掛かりにして、ストーリー・人物設定・テーマなどの物語を作るための発想へと広げる演習を行います。さらに設定だけを決めた場面を「即興」で演じて撮影することで、心情に基づくセリフや行動などを体験として考えてみます。


3年次前期

30分の短編映画を作る「脚本専門演習Ⅰ〈短編映画制作〉」

脚本コースだけで全パートを担当し、短編映画を制作します。頭で書いたものを現場で立体化する経験を通して、シナリオが自分語りではなく、他者との関係性の中で存在することを学びます。


3年次後期

原作小説を脚色して長編シナリオを書く「脚本専門演習Ⅱ〈脚色〉」

原作を元に長編シナリオを執筆します。小説とシナリオの違いを知り、映画表現とは何かを学びます。専門的な技術を修得すると同時に長編を書く持続力と体力を養います。


4年次

4年間の集大成「卒業制作〈シナリオ〉」

これまで修得したあらゆる知識と技術を総動員して、劇場用映画(250枚)のシナリオを執筆します。また、TVドラマのシナリオ(120枚)執筆にも取り組み、外部のコンクールに挑みます。完成したシナリオは「卒業シナリオ集」にまとめます。


メッセージ

青島武

脚本とはドラマを描くことで、
ドラマとは「人間を描く」ことです。

青島武Aoshima Takeshi教授/脚本家

脚本は映像作品における「設計図」の役割を持つ文章表現です。そのため小説などとは違って書き方にルールがあります。場面ごとに分けて書き、その連なりによって物語は語られていきます。俳優の動きや情景の描写は「ト書き」と呼ばれる簡潔な文章で書き、カメラで撮影ができてマイクで録音できることだけを書くのが基本です。
脚本を書き始めて最初に戸惑うのは、多分、登場人物の感情表現でしょう。カメラに心の中は写りませんから「ト書き」でダイレクトに心理状態を書くことはできません。ですからセリフや感情に基づく動作(アクション)によって表現しなければなりません。
制約に感じられるかもしれませんが、私たちの眼も心の中を透視することはできません。
ではどんなことで他者の感情に気づき、どうやって自分の感情を表していますか? 自分が日頃どうしているのかを考えてみてください——ほら、感情を表現する「ト書き」が浮かんできたはずです。そうです、それを簡潔な文章で書けばいいのです。
さあ、ルールを身につけて、脚本で「人間を描く」ことに挑戦してみてください。