短編映画制作実習作品「白いしみ」 札幌・シアターキノで上映

第1回札幌国際短編映画祭 http://sapporoshortfest.jp が開催され、9月8日、9日のスペシャルプログラムで日本映画学校映像科2年生制作、俳優科出演の映画「白いしみ」(16mm・15分)が上映されました。
脚本・監督の淡河千明さんらスタッフが、スペシャルプログラムの上映会場の札幌・シアターキノを訪問し満員の観客を前に挨拶しました。

ストーリー
女子高校生の矢上知世は、母親、矢上桜の神経質な言動に苦悩している。すぐ怒り、ヒステリックに叫ばれたり、洗濯物を家で干したり、洗濯物に漂白剤を大量に使ったり。小学生の幼い弟、矢上洋行はそ知らぬ顔で自分の好きなことをやっている。知世は、今は遠くに住んでいる父親に、母親の相談をする。父親は今日にでも母親に電話をしてくれると言う。それに気をよくした知世は、気分よく家に帰る。が、父からの電話が来ておらず、バイトをして自分で買ったジーパンに漂白剤の大きなしみが。母親にもうこんなことは止めてくれと言うが、その言葉は母親に届かず、「弁償すればいいんでしょ」と、お金を投げつけてくる。知世は家を飛び出し、「電話するって言ったじゃん」と、父親に電話するが、「ごめん、忘れてた」。
知世は家を見つめ、家に帰る。

ディレクターズメッセージ  淡河千明 

1500ft、最終的にたった15分。一体何が出来るのか、と思っていましたが、この世には面白い短編がたくさんあると知り、出来る限りやってやろうと思い、作りました。    
が、正直苦しかった。本当に15分というのはあっというまで、が、短編の構成だとかそんなものは全くわからなかったため、どこをどうしていいか延々悩み続けた。私が出来ることは数少なく、しかし、それが恥ずかしかったので、皆に、これどうしたらいいのかわからないとは正直言えず。ただ、いろんな方の教えだったりで、これだけははっきり出来ること。想像し、登場人物から目を逸らさないこと。映画の中に、登場人物たちが生きていること。その方針だけはずっと自分の中にありました。その結果、できた映画が「白いしみ」です。
たくさんの方々と出会えたことで完成することが出来たと思っています。ありがとうございます。

作品解説
主人公 知世は、母親のおかしな行動に嫌気がさしているが、どうすることも出来ないと思っている。母親の行動は母親が長年生きていた中で凝り固まってしまったもので、もうどうすることもできないものだと。しかし、わかっていても共に生活するのは苦しい。でも、どうしようもない。
家族というものは、一言に言えるものではない。それぞれの家庭に、それぞれの形を持っている。この映画は、ひとつの家族、母親とその娘の話である。 

● スタッフ
プロデューサー 寺井祐太 
脚本  淡河千明 寺井祐太 
制作部  西岡 徹  高崎匡彦 
演出部  小原由郁 森井勇佑 竹田賢弘 
カメラマン  岩永 洋 
撮影部    小泊拓也  久保田貴之 
照明     名久井一允 
照明部    古谷武久  
録音チーフ  吉田悟至
編集チーフ  小林徳行 
編集部    有田且未  山本咲季 
美術部    浅川勇一 水津真由美 
衣裳・メイク  荻原小百合 
監督    淡河千明  

● キャスト
  阿部温子
  成川貴大 
  南出孝彦 
  近藤久美子 
  今野由美 
  酒井 敦
  矢代朝子