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それでもいきていく

それでもいきていく

ドキュメンタリー|46min|DCP

ストーリー

内海直人(25)は2年前の交通事故によって意識の有無が判断できない「遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)」と診断された。自由に身体を動かせず、喋れない直人に家族は明るく話しかけ、時には彼のリハビリを手伝いもする。医師は、家族が直接関わる事が患者の中に残る「記憶」と結びつき良い効果を生む、と指摘する。映画は直人の知人たちから彼と過ごしていた記憶を集め始める。そして、一緒に生きていく人々の繋がりが記録されていく。

解説

自分の意思で身体を動かす事も、何かを伝えることもできず、医師でも“意識があるのか、ないのか”判断できない障害―――「遷延性意識障害(せんえんせい いしきしょうがい)」は“植物状態”ともいわれ、交通事故などで脳が重いダメージを受けた後遺症としてなることがあり、本作で取り上げている当事者たちも事故が原因で障害を負ってしまった方々です。また、脳梗塞など外的要因とは別の理由でこの障害を負う方も多く、お年寄りが当事者となることも少なくありません。
この障害は「脳死」と違い、脳の一部に機能が残っています。そのため心臓を動かす、呼吸をするといった生きていく上で最低限の活動は行うことができます。しかし、常に誰かの介助が必要な状態にあり、医師や病院のスタッフに加え、家族が直接リハビリの手助けをする場合もあります。

「命だけは助けてもらったから、本人も頑張ってるから……一緒にやっていきたい」

一度は危機にさらされながらも留まった命。たとえ応えてはくれなくても、家族はすぐ傍で、生きているが故の温もりを感じています。そして見つめ続けることで気づける、ちいさなちいさな進歩の兆しを積み重ねて共に日々を過ごしています。
『それでも生きていく』は、それぞれの想いが折り重なる、彼らの「今と昔とこれから」を見つめたドキュメンタリー作品です。

○植物状態の定義※

Useful lifeを送っていた人が脳損傷を受けた後で以下に述べる6項目を満たすような状態に陥り、ほとんど改善がみられないまま満3カ月以上を経過したもの。

1)自力移動不可能

2)自力摂食不可能

3)屎尿失禁状態にある

4)たとえ声は出しても、意味のある発語は不可能

5)“目を開け”“手を握れ”などの簡単な命令にはかろうじて応じることもあるが、それ以上の意思の疎通は不可能

6)眼球はかろうじて物を追っても認識はできない

<日本脳神経外科学会 1972>

※医学的な定義としては「遷延性意識障害」ではなく「植物状態」が用いられているため、ここではそれに準じている

キャスト

内海直人

内海朗

内海三代子

内海渉

内海みなみ


小松由実

小松由亜沙

井納栄子

小瀧勝

小島美智子

金井洋平


秋元和仁

女良要介

篠崎尊

石田純平

加納克也

矢澤基裕

スタッフ

プロデューサー:HewJowen

撮影:丸山朔太郎、西澤輝隼、菅谷瑠美、広瀬友和、HewJowen

録音:広瀬友和、菅谷瑠美

編集:広瀬友和

監督:菅谷瑠美

協力:自動車事故対策機構 千葉療護センターのみなさん、イタリアンレストラン ZUCCAのみなさん、船橋市立御滝中学校、新宿調理師専門学校、吉野神経難病治療株式会社 百合台ヘルパーステーション、社会福祉法人 一路会陽、フォトスタジオプリンセス船橋、小松信、志田由彦、瀧川浩司、宮澤誠

監督コメント

監督である私は直人の従妹で、幼いころからよく一緒に遊んでいた。事故によって障害が残った直人と、以前の様なコミュニケーションがとれなくなり私はふと、直人のことをどれだけ知っていただろうかと考え始めた。

大きくなるにつれて会って話をすることも少なくなっていた直人が、何を思い考え、どんな人物だったのか知りたい。そんな気持ちがこの映画の出発点だった。

家族や友人たちによって語られる思い出が少しずつ過去を明らかにしていくのだが、本当の直人の姿はわからない。しかし、直人がかけがえのない人々と今も新しい関係性を築き、繋がり続けていることは真実だと思う。

手を握り返すことや微笑みを返してくれることは無くなった今なのに、どうしてか私は直人に会うたびに以前よりも確かな温かい命を、すぐ傍で感じている。

直人から幾度となく伝わって来る“生きている”というメッセージと、支える人たちの“生きていてほしい“という思いを見つめながら製作したこの映画が、多くの人の心に残る事を祈っている。

監督:菅谷瑠美

予告編

それでもいきていく