2005.05.23

Category:OB

「たかが映画、されど映画」佐々部清(映画監督)

 

映画学校でも上映して頂いた『チルソクの夏』、そして『四日間の奇蹟』(6月4日公開)の後に今秋公開予定の『カーテンコール』とオリジナル脚本作品を二本撮りました。どちらも故郷・下関が舞台で在日韓国人を扱った人間ドラマです。

この二作品を観たNHKの方から<日韓友好40周年>を記念したドキュメンタリー番組の出演依頼を受けました。?映画人は海峡を越えた?などとサブタイトルの付いた、1時間半の長尺の番組です。構成案を見せて貰うと韓国のソン・ヘソン監督とで、出ずっぱりの構成です。

 

韓国で初めてミリオンセラーを記録した「椿娘」という曲を1965年から20年間封印された、<韓国の美空ひばり>といわれるイ・ミジャさんとお会いしたり、梶山季之原作の『李朝残影』という1967年制作の韓国映画を観て、そのプロデューサーの方とお会いするなど、不安ながらも楽しみな<一期一会>がありそうです。

僕自身は『チルソクの夏』と『カーテンコール』を日韓友好のために撮った覚えはなく、人間ドラマのエンタテインメントのつもりで撮ったのですが、これらの作品からそんなことを感じてくださって、そういう声を掛けてもらえることが映画の持つ力の一面のように思えます。常々、<たかが映画、されど映画>などと助監督や若いスタッフに話すのですが、こんなところに<されど映画>を感じます。

 

先日、日本映画復興賞の授賞式で映画学校出身の今田哲史監督と会うことが出来ました。そのあと彼が卒業制作で撮った『熊笹の遺言』を観せて貰いました。技術的には稚拙な箇所も多々ありましたが、粘り強い探求に感心しました。また暖かい眼差しにも感動しました。

『陽はまた昇る』と『チルソクの夏』では土曜上映会でたくさんの映画学校の生徒さんとも交流することが出来ました。
映画というキーワードでたくさんの人たちとの<一期一会>に恵まれます。日本映画学校(横浜放送映画専門学院)を卒業して20年余り、考えてみるとこの<一期一会>の繰り返しです。この<一期一会>を楽しんだ先が、今の映画監督に繋がったように思えます。もっともっと、<一期一会>を楽しみながら映画作りと続けようと思います。

ページトップへ