2005.08.29

Category:学生

「いつも笑顔で」佐々木海帆(俳優科 1年)

 

初めまして、私は一年俳優科の佐々木海帆と申します。
突然ですが、私は笑うと目がなくなって仏顔になります。
中学校の時、クラスの男の子が友達にボソっと「佐々木っていつも笑ってるよね」と言うのが聞こえてしまいました。今思えば全く気にする事じゃないのだけれど、当時の私はなぜか傷ついてしまったのです。それからは、笑っていてもどこかで変に自分の笑顔を意識するようになってしまいました。

 

そんな事が小さくだけどズッシリと心に残ったまま高校に入り、ダンス部に入部しました。ダンスは曲調にもよるけれど見ているひとを楽しい気持ちにさせるのが大事です。求められるのは笑顔。ある日の練習中、顧問の先生が私の笑顔をいきなり褒めてくれたのです。「とても楽しそうに笑う」と。友達も、個性だよねと言いました。今まで自分のコンプレックスだった事がいきなり誉められて嬉しいというよりビックリ。だけどそれがきっかけで私は少しずつコンプレックスだった笑顔を気にしなくなってきました。

 

そして、日本映画学校に入学。
この学校に入ってから役者に大事だと思ったのは個性です。私は一見どこにでもいるフツウの子です。でもコンプレックスだった笑顔を個性だと思ってからそこには自信があります。今はオーディション用紙にも特技、笑顔。チャームポイントも笑顔。
夢はもちろん役者です。けどまずは自分の個性である「笑顔」を磨いて、周りから「あの子、笑顔がいいよね」って言われるようになりたいです。
日本映画学校で最初の映画出演「ビデオエチュード実習」は、とにかく楽しかった。本当に楽しかった。辛いとか思い通りの演技ができないなんてのは毎日だけど、そうじゃなくて、自分が映画作りの一員で自分を役者として必要としてくれる人がいる事が嬉しかったです。指導の古厩監督には「お前の変わりはたくさんいる」と言われたりしたけど…大袈裟だけど自分の存在意義をも感じられた。

 

ビデオエチュード実習が終わってからの私は生まれ変わった。入学当時は、楽がしたい遊びたいなどと専門学校に入ったにもかかわらずそんな事を思っていた私が、夏休みに入って学校がない事を、授業が受けられない事、クラスのみんなに会えない事を、つまらないと思ったりしました。
けれど役者に夏休みはない。(by端貴さん ※(注)担任 ) この間にどれだけ色んな物を見て感じて、自分の物にできたか。それは必ずしも映画やお芝居を見たり、たくさん本を読んだりする事だけじゃない。お祭りや花火に海。それに恋!遊びまくってたくさん思い出を作りました。だけどやっぱり去年の夏とはちょっと違う。今まで18回夏を過ごしてきたけど、この学校に入ってからのたった3ヵ月で私の中の何かが変わったから。

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