2006.05.29

Category:学生

「人と人のつながり」黒田めぐみ(俳優科1年)

 

高校を卒業して、ひとり、家を離れての生活。ここ数ヶ月で別れと出会いのシーンが沢山あった。
まず高校の卒業。
私は部活のために高校に通っているようなものだったので、卒業は、学校との別れというより部活とその仲間との別れだった。
中学のときから「演劇部のレベルが高い高校に入ろう」と決めていたが、そこはバリバリの進学校だった。
親もあきれるくらいの部活漬けの生活だった。高校時代という青春真っ盛りの3年間、長い時間を一緒にすごした仲間との別れは、なかなか辛いものである。もちろん帰郷すれば会う一生の友には違いないのだが・・・。

 

そして、一人暮らし。私はこの歳になって初めて「家族」のありがたさを知った。今までどちらかといえば家は嫌いだったので、家を出ればスッキリすると思っていた。しかし、いざ家を出ようと思うとその全てが名残惜しく見える。親に世話をやかれたり、生活に入ってこられるのはウザイと思っていたが、荷物整理を手伝いに(三重から)車をとばして来てくれたり、役に立ちそうなものを考えて持ってきてくれる母を見て、本当に感謝した。
私のすきな歌に『本当の存在はいなくなってから知るんだ』という詞があるが、正にその通り。静かな部屋は思ったよりさみしかった。

 

しかし日本映画学校に入学して沢山の人と出会った。同じ志を持って集まってきた、強い意志ある人たち。私はまだここで完全に自分を出しきれていない。人の生活とはたまねぎの皮のようなものだと思う。どこが本物か、自分でもよくわからない。その皮を剥いていく中で、新たな自分を発見できたりする。私はここで、その芯により近い所まで自分を剥いてみたい。
私が今までつながってきた人々は、私に私だけの体験を与えてくれた。このつながりは一生消えない。私がこれから出会ってく人たちもきっとそうだ。離れてしまってから気がつくような繊細な感情のつながりこそ大切にしていきたい。そして、もっと増やしていきたい。好きな人も嫌いな人も今の私につながっている。

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