2006.09.28

Category:OB

「三十路からの挑」道川昭如(VEビデオエンジニア)

 

学校を卒業して、8年間勤めた技術会社を辞めて独立しました。
今までいかに“会社”に守られ、何も知らずに過ごしてきたかをしみじみ実感している毎日です。

 

日々の生活に物足りなく感じ、(会社内の人事で)なかなかカメラマンになれずに30代に突入してしまった事もあり、色々動いてみようと思いました。
これからは、映画学校時代書いていた脚本作りにも挑戦したいし、新しい機材(ハイビジョン)などの勉強もしてみたい。
自分の人生に悔いのないようにやってみたいと考えています。

 

取材先で、不治の病と闘っている少女と出会いました。
もし、誰かが死にたいと考えたとき、たまたま見た映画やドラマの続きが見たくて死ぬことをやめるかもしれない。
旅にいけないひとが、旅行している気分を味わったりできるかもしれない。
自分のやりたかったこと=原点に戻りたい。
これから僕は独立し、自己満足に終わるのではなく、何かひとに訴えかけられるもの、考えさせられるもの、そんな作品を創ってみたい、と思っています。

 

勉強嫌いで、高校へ行っても何も目的のない日々。
学校をサボって見た映画館の予告に、映画学校の宣伝が流れていました。
カメラマンがクレーンで上がっていく、そのシーンに「カッコいい職業だな」と思う軽い興味が、映画学校への志望動機となりました。
未だにあのクレーンに乗っての撮影はできていませんが、それまで何に対しても興味をもてなかった自分に、“将来の志望”というものが少し、かいま見えた瞬間でした。

 

この学校に興味をもたれた皆さんは、日本映画学校について、どのようなイメージをもっていらっしゃいますか?
僕はこの学校に入学してみて、あまりに個性的な人が多いため、「すぐに田舎に帰ろう」とさえ思いました。
僕は(自分で判断するに)、周囲と比べてあまりにも平凡でした。
正直、1年生の夏まではとてもつらかったです。

 

でも、授業は楽しいと思いました。
ここの“勉強”は、高校時代のいわゆる“お勉強”とは違います。
“映画”を題材に自分で脚本を書きカメラを持ち、編集をして「作品」として生み出すことができるのです。
時には仲間と意見が衝突し作業が止まったりしましたが、お互いを尊重し助け合って「ものづくりの素晴らしさ」「映画づくりはひとりではできない」事を学びました。

 

この世界の仕事は、海外へ撮影に出かけたり、通常の生活では出会えない人と出会うことができたりします。
大変魅力的ですが、楽しいことばかりではありません。
寝不足になる事も多く、先輩に怒鳴られたり、自分の技術の未熟さに悩んだり、挫折を味わうこともあります。

 

これから、映画学校に入ろうと思っている人に一言。
絶対損はないと思いますが、楽しくするのもつまらなくするのも自分次第だと思います。
そして、3年間無駄にしないように、良い映画を見たり、本を読んだり、体力をつけたりとプロの現場でやっていく準備をしましょう。
色々な出会いがあり、色々な体験があり、毎日が遊園地のようですよ。

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