2007.04.30

Category:OB

「韓国 De ええじゃないか」海老根 寿代(女優)

 

2年生のときに俳優科の演技実習で講師をしてくださった新宿梁山泊の金守珍(キムスジン)さんが、去年の7月に、『ええじゃないか』を劇団1980で演出することになり、私達学生に声をかけて頂き幸運にも参加させていただきました。学生のうちから、紀伊国屋サザンシアターでプロと同じ舞台に立つすごい体験を出来たことはすごく大きなことだった。

 

そして、今年3月1日、私は劇団1980に入団しました。
そして3月12日には韓国に飛び立っていたのです。
しかし今回は、学生ではなく劇団1980の新人として参加するのです。
劇団での初舞台が海外公演。入って1週間とちょいで韓国に飛んだ私は時間がハイスピードで進んでいき、わけが分からなくなるほど混乱していました。

 

ソウル近郊の町、ミリャンに到着。一週間の演劇村での合宿生活がスタートした。1日中みんなと一緒だ。
村での一週間は入団して間もない私にとって劇団員の方々に近寄る絶好のチャンスだった。まだ何の仕事もできず、ただ先輩を追っかける毎日。緊張のおかげで目覚まし時計いらず。
睡眠が平均3時間。とにかくがむしゃら。

 

ミリャンでの舞台は人と人との間が見た目ではなく、気持ちの距離感を近く感じました。
村の人の暖かい声援がしみわたる。言葉は覚えたての韓国語と英単語と日本語、そしてボディーランゲージで交流しました。
長くも短くも感じたミリャンと別れを惜しみながらソウルへ移動。

 

ソウルは日本と町並みの姿が似ていて少し驚く。ミリャンから来たので、田舎から上京してきた感じ。キョロキョロしてしまった。
いよいよソウルバージョンへ舞台の調整!!ミリャンではなかったものが続々と付け足される。そして本番がすぐにはじまった。
ソウルでの初日。お客さんも最初は少なく、ミリャンとは反対に、人と人とが遠く感じた。
しかし、観に来てくれた人やミリャンの人たちやその友達、生徒さんの口コミ、そして韓国の広報スタッフの宣伝で、毎日、少しずつ観客が増えていきました。そして、何回も足を運んでくれる人も・・・。お客さんはしっかり見てくれている。
最終日に近づく頃には満員御礼!!無事に韓国13公演は幕を閉じた。
お客さんの素直な反応に感激し、東京では出来なかったことに挑戦し、毎日見てくれた人たちと語り合った3週間。
すごい体験ができました。

 

感謝感激、胸いっぱい!
「お世話になった皆さん本当にありがとうございました。」
帰ってきたら日本はすっかり春で桜が満開に咲いていた。
浦島太郎の気持ちってこんな感じかな?
私の2007年の3月は掴み取れないなんだか夢のような不思議な感覚になっていた。
絶対に忘れないそんな韓国公演『韓国Deええじゃないか』でした。

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