2007.08.20

Category:OB

「郷に入れば郷にしたがう」向井康起(俳優)

 

去年、ひょんな事からカナダに行くになった。しかも二ヶ月間。日本の暑い夏を、カナダで過ごせるのはうれしい事だ!しかし、生まれてこの方、日本から出たことがないので嬉しさより、不安でいっぱいだ。

 

一ヶ月間はバンクーバーで、もう一ヶ月間はカナダ北部を車で旅をするという企画。
英語なんてしゃべれないから、着いて一週間は、ホント困った。水を飲みたくても頼めず、ほとんどの食事はコーラとピザばかりを飲み食いしていた。
しかし、自分の適応能力にはビックリだ。一週間もすれば、一人で買い物や食事などができるようになり、さらには現地に住む、中国人にも間違えらるようになった(バンクーバーは西海岸ということでアジア人がとても多い)。英語なんてしゃべれなくとも、ジェスチャーだけでイケるもんだ。

 

何とかバンクーバーの街に住み慣れはじめたとき、旅へと出発!
バンクーバーを出て、ニューデンバー→プリンス・ジョージア→ニューヘイゼルトン→プリンス・ルパートと。いろいろな街や村に行き、美味しいものを食べ、色々な体験をすることができ、とても楽しかったが、次の街へと向かう出発の日はとても悲しい。
仲良くなった人、特に家族のように親しく接してくれた人達との別れは一番ツラかった。
そして、プリンス・ルパートの街から、船で4時間小さな島ハリーベイへ。そこで2、3日滞在し無人島に行った。
無人島に着いたときはすぐ帰りたくなった。何にも無いのだ、当たり前だが。テレビもない、トイレもない、お風呂もない、そして食料も。アホか! しかし、食べ物を持っていくと野性のヒグマに襲われるという事で致し方ないらしい。
そこからの二泊三日無人島生活は辛かった。

 

一日目は日が暮れるまで食料となる魚を採るため、ずっと海で釣りを。諦めたかけたまさにその時、一匹のサーモンを吊り上げ、なんとか食べ物にありつけた。そして、電気もないので、そのまま就寝。二日目は朝からずっと釣りをしたが一匹も釣れず、あっという間に日が暮れてしまった。少し採れた木の実とニンニクを食べた。もちろん空腹が満たされるわけなく、ニンニクを食べてると無性に豚骨ラーメンが食べたくなり、さらに空腹に拍車をかけた。
しかし、空を見上げると一気に空腹が飛んだ。日本では絶対に見れない、満天の星空なのだ!まるでプラネタリウムを見ているようだ。流れ星なんか一生分は見たかもしれない。

 

そして次の日の夕方、迎えの船がやってきた。村に帰ると大量のお菓子を食べまくっていた…。

 

日本を離れて、初めて日本という国を見れた。
帰国して、また新たな日本を発見することもできた。
そして、少しだけ自分に自信がもて、強くなれた。

 

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今度舞台に出演します。観に来てください。
[aitoruireru ]

 

http://www.tokyomahalo.com

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