2007.10.08

Category:OB

「一期一会、求ム」黒川竹春(演出家)

 

自分の公演を宣伝するために十年ぶりぐらいに映画学校を訪れると、コラムを書いてくれと頼まれてしまった……

何を書きましょう…?

 

えっと、私は今、舞台の演出家としてやっています。
映画学校を卒業したのにもかかわらず舞台の世界に飛び込んでしまいました。
映像と舞台は似てるように思っていましたが、これがまったく違う世界でした。
右も左も、ではなく上手も下手も分からないまま演出助助助手(助が3つ)、つまり『下っ端』から始まり
現在までなんとか人との出会いだけでここまでつながってきました。

 

今思うと決まった会社や劇団にも所属せずによく繋がってきたなと思っています。
そんな私も、皆様の協力を得て24歳の時に自分の劇団を立ち上げ演出を始めましたが、その劇団も5年ほどでリセットして私1人になってしまいました。

 

ちょうど独りになった頃、私は30歳間近でこれからの人生を考えていました。
誰にでも訪れるという伝説の『30の壁』てやつです。

 

そんな時期にある人から
「30で演出を辞めるなんて早すぎる。30過ぎてから人間を演出できるんだよ!」
と言われてもう少しやってみようと思いました。
だから今も30過ぎで定職もなく貧乏ですが、やっと最近は演出やワークショップ講師の仕事が増えてきました。

 

残念ながらまだまだ生活はしていけないですけど…
そんな感じで私は人との出会いで現在があります。
そして今回、映画学校の同級生、神永学と11年ぶりに出会い、公演をやることになりました。
神永は卒業後、小説家になっており私と同じく映像ではない世界で活躍しています。
映画学校で知り合っておきながら舞台という形で一緒に仕事するとは変な話ですが。
もし、私たちと出会っていただけるのであれば劇場でお会いしましょう。

 

結局、公演案内で締め括ってしまいました。
これからも人との出会いを楽しみにしています。

 

(日本映画学校 映像科8期生)

>> Attic Theater Web

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