2008.04.30

Category:OB

「10年・20年計画」奥泰典(映画「感染列島」制作進行)

 

卒業して1年が経ったらしい。
この1年で自分の時間軸がずれてしまったのか、ずいぶん昔のように感じる。
本編映画5本、短編映画1本、テレビドラマ1本、計7本。ハイペースらしいのだが、自分ではよく分からない。
制作部の仕事は、学生の頃と基本的な部分は変わらないのだが、その時こなしていた仕事より質も量も増えて、試行錯誤しながら何とかやっている。
今、原稿を書いているが、撮影で明日からフィリピンだ。

 

ここで、この1年で一番嬉しかった話を一つ…
昨秋、冨樫森監督作品「あの空をおぼえてる」に制作進行で関わったのだが、英治役の広田亮平くんのクランクアップの日のこと。朝一、亮平くんが自分の所にニコニコして駆け寄ってきた。
「あのね、今日オッキー(自分のことを愛称で呼んでくれていた…)が、夢の中に出てきたんだよ。東国原知事にオッキーが逆ギレしてたんだ!ものすごいおもしろかったんだよ!」
まくしたてるように言ってケラケラと笑う亮平くんを見て、彼にとって楽しい現場を作ることができたのかなと思えた。
現場を作ること、これは一番の目標であり、目的でもある。それを達成できた実感を少しでも持てた時が、今の自分にとって最高に幸せな瞬間になっている。

 

僕の最終的な目標は映画プロデューサーとして作品をつくることにある。小さな作品で最初からアシスタントプロデューサーの話もあったのだが、制作部の道を選んだ。現場を知らない人間にはなりたくなかった。
僕は映画の全てを知りたいと思う。その映画が、何を以って映画として成り立っているのか、しっかりと判断できる人間になりたい。そして、映画学校で恩師と結んだ絶対に守りたい約束があり、自分が絶対に果たしたい夢もある。
制作部という役割は、きつくて、しんどくて、辞めたくなるときもたくさんある。それでも踏ん張って頑張れる。すべては、10年後20年後、自分が映画プロデューサーとしてあるために…。

 

(日本映画学校 19期生)

 

>> 映画「あの空をおぼえてる」オフィシャルサイト
>> 映画「感染列島」オフィシャルサイト

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