2008.05.20

Category:OB

「引っ越しのススメ」末光洪太(映画制作部)

 

はじめまして。日本映画学校15期生の末光と申します。
映画学校を卒業して映画の現場に飛び込んで早5年か6年か、否7年だったか、
数字に弱いのではっきりと分かりませんが、その位経ちました。
映画学校に入学以来「新百合ヶ丘」に住み着いていましたが、最近、「百合ヶ丘」に引っ越しました。新しい町と共に 新しい心持ちで日々過ごしております。この新しい部屋がなんとも日当たり良好で、晴れた日などは洗濯物を干すのも楽しかったりして、そこへサーッと爽やかな風なんかふきますと、とても気持ちが良いのでございます。
さて、映画の現場というのも引っ越しの繰り返しであります。
日々、現場から現場へ、会社から会社へ、土地から土地へ渡り歩くのでございます。時には四畳半の狭い部屋に辿り着くこともありますし、時には3LDKの広い部屋に出会うこともあります。また、素敵な部屋に出会うこともあります。素敵な同居人に巡り会ったり、ある時にはとてもおっかない大家さんに巡り会ったりも致します。出会いは多く、出会いの数だけの別れもございます。放浪好きの貴男貴女にはぴったりなお仕事だと思います。

 

ところで、私、卒業以来映画の現場では制作部という仕事をしております。制作部というお仕事はロケ地を探したり、予算を管理したり、お弁当を発注したりするのですが、一言に説明するのが難しいので、知りたい方は現場に足を運んでみて下さい。撮影現場で目の下にクマのある人を見かけたら、その人達が制作部です。彼等は撮影中、ほとんど寝ることを致しません。と申しますより、寝させて頂けません。睡眠時間の少なさという点ではどの部署にも負けないでしょう。眠ることの嫌いな貴男貴女にはぴったりな仕事だと思います。

 

この制作部という仕事をしておりますと、各土地々々の方々とたくさん知り合うことができます。時には、密なお付き合いをさせて頂けることもございます。埼玉のお父さんに怒られることもあれば、九州のお母さんに叱られることもあります。最後には本当の母親のように思えてきたりもします。映画作りというただ一点において知り合い、別れていく訳ですが、終わりの頃にはとても深い繋がりが出来ていることもあるのでございます。

 

私などは別と致しましても、制作部にはステキな連中がたくさんおりまして、それは制作部という仕事がそのようにさせるのか、制作部に集まってくる連中がそうなのか分かりません。けれども、もし、そんなステキな連中の一員になりたいと思ってしまったなら、現場に足を運び、目の下にクマのある人達に声をかけてみてはいかがでしょうか。

 

(日本映画学校 映像科15期生)

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