2008.12.09

Category:学生

「映画監督・佐々部清さんに出会った」高木麻美(映像科1年)

 

監督の一番大事な役割とは?
仕切れることでも、怒れることでもないらしい。佐々部清監督特講は、映画という包装紙をめくって、佐々部清という一人の人間を覗けた時間だった。
佐々部監督は温和で物静かな、笑顔を絶やさない監督。映画を観て抱いた印象。
実際は…普通のおっちゃんだった。しかもカラオケ大好きだった。
そして、母親をとても大切に思っていた。やっぱり佐々部さんは私の想像通りだった。
映画監督は愛情深く繊細であること。包装紙をめくって現れた映画監督佐々部さんの素顔。
仕切れるだけでは駄目だ。怒れるだけでは人はついてこない。
映画監督は、映画に対して全責任を負う事と佐々部さんは言った。重い言葉だ。不祥事を起こす政治家や企業が会見で使う言葉で聞きなれているけど、本当はとても重い言葉だ。それを背負える覚悟を持つこと、それが重要なのだ。
私から見た佐々部さんは山の頂を見上げるように高いところにいる。私はただ、おろおろしてしまう。どうやって進めばいいのかわからない・・・。
「かもしれないの継続」。佐々部さんからこの言葉を聞いた時、ふと思った。
佐々部さんでさえ若い頃は「かもしれない」だったのだ。監督になれる「かもしれない」、作品を世に出せる「かもしれない」、これをすれば少しでも…。そういう「かもしれない」を積み上げて佐々部さんは今をつくった。
今は、何でもいいから自分がいいと思うものをやり続けよう。一歩でもこの焦燥を超えて、なりたいものに近づける「かもしれない」のだから。

 

(日本映画学校 映像科23期生)

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