2009.01.06

Category:学生

「救世主」亀山紗千(映像科2年)

 

高校三年生の夏、私は学校の資料室で受験勉強をしていた(大学だったか何だかもはや記憶にない)。
息抜きに、他の大学やらのパンフレットをぺらぺらとめくっていたら、日本映画学校の文字が。やたらダイレクトなネーミングだなと思いつつ、日本映画がすき、ということで説明会へ。何だかよくわからない説明会だったが間違いはないと思い受験。合格。
こんな甘くていいのかと思いつつ入学。
やはり甘かった。

 

人とコミュニケーションを取る事が一切駄目な私は面倒くさい事は全て避けてきた。勉強も、八年間だらだらと続けた陸上も、興味の無い事柄や人間関係も、面倒だった。頭が良くなりたい、脚が速くなりたい。でも努力と言う言葉がこの世でいちばん嫌い。

 

努力しても到達できないような夢を持った奴らが溢れかえる世界に飛び込む為のこの学校に入学する事は絶対におすすめは出来ない。

 

ただ、嫌でも色んな人種と興味のない事柄に対して延々とディスカッションする事を続けていると、びっくりするほど世界が開けることがわかった。
その他は、極寒の海で、川で、深夜から早朝にかけての撮影、睡眠を許されない脚本執筆作業等。びっくりするほど過酷。

 

楽しみを求めて入るのはまずい。引き返すなら今だと思う。

 

映画業界に行く、という事は現実世界に行くという事かな、とちょっと思う。完全に架空のはずの人物や物がイキイキと生きているっていう、ちょっと不思議な世界。

 

先日テレビでマトリックスを久しぶりに観てみて思ったのだが、これからこの日本映画学校に入学を考えている人は、今いるその世界をマトリックスだと思っていただければわかりやすいだろうか(わかんないひとは映画観て)。

 

今現在私はそのマトリックスと現実世界の狭間で彷徨ってます。
現実世界を救うことができたら明るい未来があるんではないかと思えば、この学校に入ることはある意味間違いではないと思う。

 

(日本映画学校 映像科22期生)

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