2009.01.26

Category:OB

「巡り会って、ガッツをもって恥をかく」白神馨之(俳優)

 

シラガケイシ、本名です。黒髪ですけどシラガです。 「黒髪の白神」と覚えて下さい。
在学中にコラムを書いたので、卒業後、再びコラムを書く機会ができたということは、腕がなんとか残っており、生きているということです。

 

今回は、卒業後フリーでの役者活動をお伝えしたいと思います。
卒業してしばらく、事務所に所属することなくエキストラ、制作や自主映画に出演したり、大先輩が主催するワークショップを受けたりして過ごしていました。
ある日、芥川受賞作品小説「グランドフィナーレ」が舞台化されると本校の学生部から連絡を受け、一般オーディションを経て奇跡的に出演できました。
演出家は映画監督で、出演者は様々な舞台や映像で活躍する役者さんが集うプロデュース公演でした。
著者の阿部和重さんは本校の大先輩であり、僕はこの原作がきっかけで本校の存在を知り入学したので、特別な想いで舞台に臨みました。
公演後、出演した自主映画が『東京国際映画祭』の「ある視点部門」に出品が決定したと吉報を受けました。
監督とは下北沢の閉鎖する映画館での繋がりでしたが、その縁で六本木の映画館に自分の姿がありました。
さらにこの映画祭では自分のルーツであり第2の母国であるマレーシア映画も上映されていて、作品と亡くなった敬愛する監督の親族と涙ながら巡り合うができ、映画が好きでよかったと思いました。
日本にきて役者を目指し始めたころTVのインタビューでカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞した柳楽優弥君がフランスへ行く前に行ったことのある国としてマレーシアを挙げていて、「誰も知らない」はバイブル的映画ということもあり、勝手ながら親近感を抱いていました。

 

ワークショップにて小説「すべては海になる」の原作者と通じて受けたオーディションでは結果が残せなかったものの、僕はあきらめがつかず、猛アタックし首の皮一枚。原作者山田あかね初監督作品に、なんと柳楽君が主演する劇場公開映画にエレベーターボーイ役を掴みとりました。
台本がない状態で現場に入ったのですが、大好きな原作を念頭に入れて、瞬時に相手役の佐藤江梨子さんと渡辺真紀子さんのやりとりを確認し、ふたりの間を割ってひと台詞。
手に汗をかきましたが、日本映画学校の「実習」では、一台詞があるかないかでさらに尺の問題でカットされる役ばかり経験したので、そのことを思い出しながら知り合いのボランティアエキストラに囲まれ、スタッフには映像科の同期がいるプロの現場で演じ切ったことは印象的でした。

 

その後、出演した舞台に見にいらして下さった大先輩のキャステングディレクターがCMのオーディションに呼んで下さり、憧れのディレクターさんとCMの仕事もしました。
緒方明監督作品「いつか読書する日」で主演された個人的に尊敬する大俳優の岸部一徳さんとの夢の共演は刺激的でした。
日本映画学校で学んだことを2009年はたくさん、現場で発揮することができ、
また、大先輩の協力を得て、ガッツをもって恥をかいてます。
次はVシネの主演をやります!
将来の目標は、日本とマレーシアの合作映画に出演し国境を越えて演じられたら・・・と思ってます。応援して下さい。

 

(日本映画学校 映像科21期生)

 

>>『すべては海になる』 1月23日公開
>>『OUR BRIEF ETERNITY』 2010年公開予定

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