2009.05.12

Category:OB

「イントレ3尺の足と板は一緒に持つって初めて知った」山城研二(制作進行)

 

「制作は、愛だ!」っていつも言われます。
自分は愛に満ち溢れた人間だと思っていたけど、制作部の愛にはどうもついていけないです。
僕は、いつも走り回っていて暑いので、皆さんが寒い思いをしているのに全く気が付きません。

 

最近は、自分は暑くても、速攻で火を点けてやります。
「点けてやります」ってのは、エラそうですが、エラそうにしていないとやっていられません。
卑下していると、どんどん落ちていってしまう気がします。いつもエラそうにふんぞり返っているので、最近、「部長」というあだ名が付きました。怒鳴られる時も、「部長!」です。

 

仕事は、イロイロですが、とりあえず、スケジュールが制作部の命だと最近気付きました。というか、一日のスケジュールだけポケットに入れておけば問題無いです。
朝は、皆さんが来る30分前には、「作り場」という撮影の基地みたいなところに行きます。いろんな所にロケに行くので、主に町内の公民館とか借りて作り場にしています。

 

僕は一番下っ端で、制作進行という名ばかりの雑用ですが、備品車と言う2tトラックとドライバーさんは、朝一から僕と共にホテルから出発します。4時とか5時とか。着いたら、ガスの元栓を開けて、コーヒー作って、麦茶作って、お湯を沸かして、沸かしている間に玄関前にブルーシートを広げてテーブルを出して朝メシの弁当を受け取ってそんなこんなをしていると、作り隊って人たちが来ます。

 

時代劇の現場なので、カツラを着けたり、着物を着たり、小道具とか足袋とか、忍者もたくさん出るので、手裏剣とか鎖の付いた鎌とか朝から、役者さん一人に40分位かかります。
皆さんが作り隊と作っている間に、ロケ現場には美術部は飾りに行ってて、技術部も監督も来ちゃうので、ポットにコーヒーと湯を持って、トラックに乗って、現場行って、着いたらテーブルを広げてお茶場作って、テントを立ててストーブ点けて、毛布とかイントレ・レールとかをトラックから降ろしたら、トラックが邪魔になっちゃうので200mくらい離れている駐車場に停めます。

 

撮影始まってから降ろし忘れに気付いたら200mダッシュです。首から下げているトランシーバーから「早くしろよ」、「コノヤロー!」とか聞こえてくるので、歩けません。

 

イントレと言うのは、折畳まれた鉄の足を広げて上に2m四方の板を乗せると完成する台なんですが、足と板は両肩に乗せてダッシュです。
最近は、ビールがますます美味しくなってきました。 痛風にはなりたくないです。 桜が散る前に花見に行きたかったです。

 

(日本映画学校 映像科21期生)

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