2010.07.06
Category:学生
高校の頃、演劇部だった私は顧問の先生にこう言われた。
『芝居で子供を笑わすのはすごく大変なことなんだよ。』
と。
確かに、学校の近くの市民館でクリスマス公演をやったとき、
子供たちは笑うより、私たちにあぁじゃない、こうじゃないとツッコミを入れてた子の方が多かった。
そのとき、私は
『なるほど。子供は純粋故に嘘をつけないのだな』
と、思った。
しかし、先日観劇したこんにゃく座の「オペラ ネズミの涙」(台本・演出 鄭義信)はどうだろうか。
子供どころか、老若男女問わずみんな笑ったり、泣いたりしているではないか。
繊細なピアノと、豪快な打楽器、そして役者さんの歌声と演技。
みんながそれに魅了されている。
私自身、あるシーンで泣いてしまった。
私が高校時代できなかったことを、このステージにいる役者さん方はそれができている。
(ただの高校生と比べては失礼かもしれないが。)
ただ、すごい。と思った。
それと同時に、私もこんなふうに老若男女問わずみんなを笑わせたいと思った。
ネズミの涙はそんなまだまだ役者の卵の私に強い刺激を与えてくれた。
(日本映画学校 俳優科24期生)