2010.09.21

Category:学生

「どうか読まないでください。」   仲田 亮 (映像科2年)

 

コラム【column】?円柱。?新聞・雑誌の囲み記事。短評欄。
(広辞苑第六版より抜粋)
なるほど。何を書いたら良いか全く分からない。
毎週このコラムを楽しみにしている人にはまことに申し訳ないが、今週はハズレである。これを読む時間を新聞や本を読む時間に充てることをおすすめする。
『コボちゃん』なら1週間分は読めるはずだから。

 

僕はずっと逃げてきた。何から?イヤなことから、現実から。今だってコラムを書くことから逃げ出したい。
中学、高校とテレビに逃げた。毎日家から帰るとテレビを観ていた。だから、同年代の人に比べて、昔のネタには詳しい、と思う。
ただ、勉強はしていた。飲み込みは周りより悪かった。だけどバカな僕にも簡単だった。ただの点取りゲームだったから。
成績がいいと何も言われなかった。そうして何も考えず、進学校に入った。
だけど、飽きた。だからテキトーに勉強してたら第1志望の大学に落ちた。
そして、3日前に赤本を買って受けたどうでもいい大学に入った。就職するよりましだったから。
だけど、半年でやめた。合わなかった。何にもやりたいことがない自分が、大学生の自分が、周りの大学生が嫌いだった。

 

大学に入ってからは、映画に逃げた。テレビがつまらなくなったから。
ただ、それだけ。その年、初めて200本以上映画を観た。
そして、映画に携わることなら飽きずにできるんじゃないかという安易な考えが頭の中を支配して、映画学校に入った。別にどこでも良かった。
名前を唯一知っていたのと、3年制というだけで決めた。

 

1年が過ぎた。僕が学生時代にしていたことは何にも役に立たなかった。
脚本も上手く書けない。監督もできなかった。ただ、映画は誰よりも観た。
2年になって、まだうまく脚本が書けない。ただ、去年の自分より少し成長している自分がいることは確かだ。
今年も映画を誰よりも観ようと思う。観なくてはならない。才能がないから、バカだから。
それは自分が1番良く知っている。だからバカみたいに映画を浴びるしかない。ようやく最近になって、自分の好きな映画が分かってきた。
早く監督をしたいと思う、これはもう間違いなく。
だが、別に焦る必要ないんじゃないか、ゴダールが『勝手にしやがれ』を撮る歳になるまで8年、カネフスキーに至っては53歳でデビューしているじゃないかと思う自分もいる。
自分のペースでゆっくりでもいいからと。傑作じゃなくてもいいからと。

 

死にいたる病とは映画のことである。

 

偉そうなことを書いてきた。そのうえ支離滅裂。最悪だ。読み返すのが恥ずかしい。
できれば読んだことを忘れてほしい。本当にウソしか書いてないからさっ。

 

10年後、これを読み直す機会があれば、「ふん、偉そうなことをぬかしやがって、青二才め」と、思いきり罵倒してやろうと思う。

 

いろんなモノが散乱している6畳の汚いアパートの1室にて

 

(日本映画学校 映像科24期生)

ページトップへ