2011.01.18

Category:学生

「映画は人生を変える」大越康男(日本映画学校 映像科1年)

 

入学から早9ヶ月

 

あっという間だったが、何年も経ったようにも思える

 

新卒で、あるメーカーに就職し30年間勤めた

 

会社の方針で自分の居た会社は無くなり、別の事業会社へ転籍したが・・・

 

元の仕事への転職も考えるが、本当にやりたい事は何だったかを思い起こす

 

あの時、仕事としてやりたかった事・・・  それは、映画制作

 

高校時代に中学時代の同級生で自主制作の映画を作った

 

中学時代の同級生20人を集めて撮った最高の思い出

 

これを仕事に出来たら素晴らしいと思った

 

ではなぜ、踏み出さなかったのか

 

それは、この道で食っていけるか自信がなかったから、それに

 

父が倒れ生活保護まで受けている状態でそんな度胸もなかった

 

5年前に中学校の同期会の幹事をやる事になった

 

そうだあの作品の上映会をやろう 8㎜フィルムで20分

 

30年も経つのにフィルムは、ばっちりだった

 

しかし音声テープは、無くなっていた

 

DVDへの変換は業者に出し、自宅でパソコン編集

 

音が無い分は、字幕スーパーとBGMで効果を出す

 

台本もなくなっていたが、そこはオリジナル脚本の強み

 

演者の唇を読み、古い記憶を呼び起こしながら

 

本を作った共同執筆者と何度もやりとりを交わす

 

土日はもとより、会社から帰って毎晩23時からの作業

 

とにかく楽しい、寝食を忘れて作業に没頭する

 

そして、69名参加の30周年同期会で念願の上映会

 

みんなのお子さんたちくらいの頃の映像がそこにある

 

懐かしいが、恥ずかしい、何とも不思議な感覚

 

家でお子さんたちに見せてねとコピーしたDVDを渡す

 

稚拙ながら初監督作品が世に蒔かれた瞬間

 

それは、30年越しの達成感

 

これが、この道に進む予兆だったのかもしれない

 

入学しようか迷っている時、昨年度の卒制作品を観た

 

「人は選らばなかった道に憧れるものよ」という台詞にビビった!

 

この言葉で会社を辞めて、この道に進む決意をした

 

映画は、観た人の人生を変えることもある そんな力がある

 

そんな映画を作りたい いや、必ず作る!

 

入学してから毎日が、今までとは全く異なる世界の連続

 

様々なイベント、新しい仲間、人、先生方との出会い

 

特にクラスメイトは、世代が違う若者だが、

 

嬉しいかなニックネームで呼んでくれる人もいる

 

そして時には、映画制作で意見が合わず熱くなる事も

 

素晴らしくも危ない世界に足を踏み入れてしまった

 

昨年末、会社勤め時代の友人らと忘年会をした

 

みんな遠い過去の人のように見えた

 

もう戻れない、いや戻らない!

 

(日本映画学校 映像科25期生)

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