2011.04.05

Category:学生

「それしか、ない」一色莉沙(日本映画学校 映像科1年)

 

この学校に来てもう1年が経とうとしている。

 

2年からは知っての通り、希望のコースごとにクラスが分かれるのだが、私は編集ゼミを希望していた。

 

だがしかし、編集ゼミの希望者が、定員割れしているやらで私は面接で編集ゼミを落とされてしまった。

 

何を基準で選んだのか、この私を落とすだなんて、と面接をしてくださった先生に怒りを覚えたり(笑)もしたのだが今は非常に感謝している。

 

何故なら私は演出ゼミに行くことに決まったからだ。
この世界に入りたいと思ったからには、いつか自分で監督した映画を映画館で見てみたい。
学校に入る前は漠然とそう夢見ていた。

 

しかし入学してからシナリオの壁にぶちあたり、監督への夢をいとも簡単に諦めてしまった。

 

そんな私を先生は見抜いていたのだろうか?
いや、まさか。

 

何はともあれ私は否応なく演出への道を進むこととなった。
これでよかったんだ、今では心からそう思っている。

 

だってこの世界が厳しく辛いものだなんて学校に入る前から分かっていたことじゃないか。今更、怖じけづいてどうすんだ。
いや、怖じけづいたところでもう手遅れだ。

 

だってもう、足のつま先の先端だけかもしれないけれど、この世界に足を踏み入れてしまったんだから。
映画の魔力に取り憑かれたならもう戻れない、進むしかない。

 

目指すは、監督。
私にはもう、それしかない。

 

(日本映画学校 映像科25期生)

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