2012.07.31
Category:OB
お初にお目にかかります。映画学校23期、大八木啓之と申します。実は中退生でありまして、それにもかかわらず、この週刊コラムを書かせてもらうことになりました。
それと言うのも、自分が関わらせてもらったドキュメンタリー映画「ぬちがふぅ」のチラシとポスターを置いてもらおうと、二年ぶりに新百合ヶ丘の学校を訪れたからです。そこで「コラム書かない?」と突然言われ、二つ返事気味に「はい」と答えてしまいました。答えてから、ふと不安になりました。中退生でも書いていいの?と。でも、なんだか、問題ないそうですね。なんだかこの学校らしいなと、懐かしくなりました。
さて、映画学校を二年前に中退した僕ですが、それで映画や、テレビ、表現の場から離れてしまったかというと、実はそんなことはありませんでした。
吹き替え連続教養番組の編集監督付きADをしていたり、最近では「ぬちがふぅ」という沖縄戦をテーマにしたドキュメンタリー映画のナレーション原稿製作のスタッフをしていました。他にも円覚寺というお寺の遠鉢という行事の随行カメラマンや、山梨での音楽祭の背景に使う写真の提供なんかもしています。
「どうしてそんなことをやってるの?」とよく尋ねられることがあります。そんな時は「たまたま、縁あって」とよく返します。
何気なく使っていた言葉だったのですが、最近気がつきました。どの縁も、前にやっていたことや、その時に作ったものが媒介のように、引き寄せてくるものなんだと。写真などは、一度開いたあるお寺に密着した写真個展が元でした。当たり前だと言えば当たり前なのですが、実感出来るようになったのは、本当に最近のことです。それまでは活動してはいても「どうせ」とか「誰も見てくれないし」なんて拗ねてばかりでした。今でもたまにそういう気分に陥ることはありますが。
映画学校の学生の頃は、少し消極的な学生でした。少なくとも、目の前のチャンスを取りに行く!というタイプではなかったと思います。
一つ、学生時代の自分に言うとしたら「とにかく、自分がやっていることを、小さくても、見られていなくても、言い続けて、出し続けろ」かなと思います。もしかしたら、自分がやった過去の事が巡りめぐって、未来で、何かしらの「縁」を、すぐにではなくても、結んでくれるかもしれないのだから。
さて、コラムのタイトルは「縁結び」ということで、ここで映画の宣伝です。元々、このコラムを書いた縁がこの映画の宣伝だったというこじ付けを、お許しください。
20数年かけて掘り起こした沖縄戦の真実*「ぬちがふぅ」-玉砕場からの証言*2012年7月28日より渋谷アップリンクにてロードショーです。これも何かの縁と思ってぜひ、足をお運びください。
詳細はホームページをご覧ください。http://www.geocities.jp/nutigafu/
それでは、このコラムも、何かの縁になりますようにと、願って。
(日本映画学校 映像科23期生)