2012.12.18

Category:学生

「希望」矢口 亮(日本映画大学2年)

「希望」矢口 亮(日本映画大学2年)

 

告白します。僕は2か月間大学へ行かず、家に引きこもっていました。
今まで自分のレールは親が引いてきて、そのレールの上をのんびり走ってきた。
そのレールの上にいることがどれだけ安全で、楽だったかをとても思い知らされる。
そのレールに乗っているときは、
「違うレールを走ってみたいな」とか、「親の引いたレールを走るのは嫌だ」とか、抜かしていたくせに、
いざ「自分で走ってみな」と放り出されたら、急に止まってしまう。

 

「どこへ行ったらいいのだろう」「自分にはどういう道があるのだろう」
不安が募る。
先が見えないことがこんなにも恐ろしいことなのかと、改めて実感した。
しかし、よく考えてみるとそれがおかしいことに気が付く。

先が見えるなんてありえないことに。
子供のときは(今も子供だが)、次は中学生になる。
中学生の次は高校生になるとわかっていた。
大学生になって初めて先が見えないことに気付く。
でもこれが当たり前のことに今初めて気が付いた。
自分の道は自分で切り拓く。
これができるのが大人なのだろう。
それがわかった。
だから、僕は急いで先を見ようとはしない。
僕は今、ひたすら目の前の一歩一歩をゆっくり、しかし確実に歩んでいる。
(日本映画大学 映画学部 1期生)

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