2013.10.15

Category:OB

「いつか全員がプロになって一緒に映画を作ろう」外山文治(映画監督)

 

「いつか全員がプロになって一緒に映画を作ろう」
そんな夢を仲間と安アパートで語り合うのも、若い映画学生の特権なのかもしれない。
しかしそれがまさに「夢」であると気付くのは、卒業して間の無くのことだろう。
映画業界は厳しく、なんとか生き残ることができたとしても、やがて語り合う友も少なくなる。
ましてや皆で映画を一緒に作ることなど……

 

なんて、暗いことを語るつもりはありません。
だって私の長編デビュー作品「燦燦 -さんさん-」には、同級生の多くがスタッフとして名を連ねているのですから。

 

共同プロデューサーも、編集も、音響効果も、かつて一緒にクラスで学んだ15期生。
また、チーム編成の際にその候補として名前が挙がった人間達も、やはり15期生の名前が目立ちました。
もちろん友達意識などでスタッフを集めているわけではありません。
周囲が、あるいは会社や撮影所が認める「若き映画人」に誰もがなってきたということでしょう。
嗚呼、華の15期生!! ( トップランナーは狩野英孝さんです )。

 

映画界には、突出した才能の持ち主が数多くいます。
センスの塊も、百戦錬磨の先輩方も、匠の技を持つ大ベテランも沢山いらっしゃいます。
そんな刺激的な場所に身を置ける喜びを私はいつも感じています。
いい人もいますし、きっとよくない人もいます。
モミクチャにされて進路を変えざるを得なかった友人も数多くいます。
私だって今後のことはどうなるか分かりません。
しかし、なんとかしがみ付いて皆でひとつの映画を作った。それだけで私はこんなに幸せなことはないと思っているのです。
大袈裟に喜んでやろうと思っているのです。

「いつか全員がプロになって一緒に映画を作ろう」
あの頃の未来に、私達は立っているのですから。

 

長編デビュー映画「燦燦 -さんさん-」は11月より全国順次公開です。
「77歳の婚活」をテーマに全国22館スタート、新人のオリジナル・ストーリーとしては大変光栄な出発です。
脚本を読んで下さいました吉行和子さん、宝田明さん、山本學さんという稀代の名優達が、作品の規模も予算も度返しして出演を快諾してくださいました。
そのおかげで素敵な作品に仕上がりました。どうか見にきてください。

 

また、映画化にあたり日本映画学校 (現・日本映画大学)には多くの御協力を賜りました。
この場をお借りまして心より御礼を申し上げます。
卒業してもなお、私は学校のお世話になりっぱなしです。また迷惑をかけてしまいました。
でも、これからも宜しくお願いします。
(日本映画学校 映像科15期生)

 

映画「燦燦 -さんさん-」公式サイト
http://sansan-eiga.com/

 

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