2013.12.17

Category:教員

「なにもこわいことはない」斎藤久志(映画監督、日本映画大学教員 )

 

今村昌平の「人間蒸発」観て、映画をやると決めた。親に今村さんの学校(横浜放送映画専門学院)に行きたいと言ったら専門学校はダメだと反対された。
大学と名のつくところに行ったが、自主映画を作り続けPFFに入選した。そこで審査員だった長谷川和彦(ゴジ)さんと出会った。

 

「俺はカンチコの恥をかいたことのないやつは信用しない」と助監督をやらないかと言われ、二つ返事でゴジさんの脚本作りに参加したが、ゴジさんは映画撮らなかった。
結局、助監督をやる機会を二度逃し、現在に至る。
商業映画を初めて撮った時、撮影部、照明部、演出部、制作部それぞれのチーフと録音技師が、横浜の同期だった。ちょっと驚いた。自分がそっちに行ってたとしたらどうだったんだろう、と考えた。多分、5、6年助監督をやって映画から去ったんじゃないかと思う。

 

日本映画学校の講師を頼まれた時、助監督経験のない自分の方法論だけじゃまずいんじゃないかと思って「blue」の監督、安藤尋を呼んだ。
安藤が言う「自主映画出身の奴らだって、映画を撮る時には助監督は必要なんだ」。なるほど、と思う。
去年の夏、自分のお金で23年ぶりに自主映画を撮った。スタッフ、俳優はプロだ。その中に横浜・映画学校時代を含めると本校出身者は8人いる。自分が直接教えた生徒は3人。
はたして自分はプロなのだろうか?プロっていったいなんなだろうか?

 

自分は「映画」を仕事にしたのではなく「映画」という生き方を選択したんだと思う。
卒業生の皆様、「映画」という生き方をしてますか?
その23年振りの「映画」が現在、新宿K’s cinemaにて上映中です。その後全国各地にも周ります。是非、その目で確かめてみて下さい。
タイトルは「なにもこわいことはない」。

(日本映画大学 准教授)

 

「なにもこわいことはない」ホームページ>> http://kowaikotohanai.com/

K’s cinemaでのトークショー予定
12月28日(土)  中原昌也(作家・ミュージシャン)、斎藤久志
1月11日(土)  矢崎仁司(映画監督)、斎藤久志
1月 12日(日)  やまだないと(漫画家)、斎藤久志
1月 13日(月・祝)  七里圭(映画監督)×斎藤久志
1月 17日(金)  長谷川和彦(映画監督)、斎藤久志
全て上映終了後

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