2014.12.09

Category:OB

「日本橋・三越劇場で『バウンティフルへの旅』を上演しています」平松多一(劇団民藝 制作部)

 

日本橋の三越劇場で今月6日から20日まで、『バウンティフルへの旅』を上演しています。
この作品は、瑞々しい子供の視点から人種差別問題を描いた映画「アラバマ物語」の脚色で知られるホートン・フートのハート・ウォーミングなものがたりです。

 

大都会での生活と嫁とのいざこざに耐えかねた未亡人が故郷を目指してひとり旅へ……。1985年には映画にもなっていて、ジェラルディン・ペイジがアカデミー主演女優賞を獲得しています。

 

描かれているのはなんの飾り気もない「日常」、そして「旅」です。真逆の要素が絶妙にブレンドされて、奥行きのある世界観を醸し出していると思います。
舞台は、1950年代のアメリカ。繁栄の陰で、小さな町や庶民の生活がどんどんと切り捨てられていくさまが物語の背景にあります。

 

その辺りは、マリリン・モンローの代表作のひとつアーサー・ミラー作、ジョン・ヒューストン監督「荒馬と女」にも通じるものがあり、アメリカ人作家が自国を見つめる目の厳しさや温かさといったものを考えさせられます。

 

この度の劇団民藝公演では、劇団代表の奈良岡朋子が主人公のワッツ夫人を演じています。舞台という限られた空間の中で、グレイハウンドバスに乗り満天の星空のもと、生まれ故郷バウンティフルを目指すのです。彼女がそこで発見したものは……。

 

「ひとはいつか故郷へ帰る――ひとりの女性の決意と旅路を優しいまなざしで描いた名作。」チラシより。ぜひ、ご覧下さい。

 

(横浜放送映画専門学院 映像科11期生)

 

劇団民藝ホームページ>> http://www.gekidanmingei.co.jp/

 

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