2015.11.02
Category:OB
2014年の夏、熊澤誓人監督の下、演出サポートとして関わった
ジュニア映画制作ワークショップ作品「未来選択」が、
キネコ国際映画祭2015のティーンズ・フィルム部門にてグランプリを受賞しました。
受賞の連絡を頂いたのは、なんと授賞式前日。
そこから中学生達に「明日授賞式なんで、もし可能であれば……」と連絡をしたわけです。
大人達は「まぁ、数人でも来てくれればいいよね」なんて話をしていたのですが、蓋を開けてみれば23人の中学生スタッフの内、20人が集まってきました。
中には「大阪に帰省中だったけど、このために新幹線に乗って戻ってきた」なんて子まで居て、内心、「よく来るなー」と思ったのは秘密です。
だけど、よく考えてみるとこの20人の殆どが、違う学校の生徒です。
ワークショップがなければ、恐らく出会うことなく死んでいくはずだった人たちです。
今年で16年目になる「ジュニア映画制作ワークショップ」は、教育の場ではありません。
ましてや将来の映画人を育てようという場でもありません。
一言で言えば「他人と関わる場」です。
時に会って間もない他校の生徒と。時に映画監督と。
そして、時に僕のようなとても見本とは言えない大人と。
そういう「他人」と関わりながら「表現」に結実させていく。
それがこのワークショップです。
受け売りですが。
「それに何の意味が?」と聞かれると、
今年で手伝い始めて5年目になりますが、未だ明確な答えはありません。
ただ、出会う事のなかった子らが出会い、大阪からでも駆けつけたくなるような関係になり、
その23人によるありったけの「表現」。
その中心に「映画」があった。
そこ何かしらの意味があったからこそ、
こうして外部の方々から一定の評価を与えられるに至ったのだ!
……と勝手に思っている次第です。
願わくば、この作品が彼らにとって「思い出」以上の存在になっていれば幸いです。
そして、参加した以外の多くの中学生たちに、少しでも「表現すること」に惹かれてくれれば
万々歳であります。
制作当時の様子など、2014年のワークショップ公式サイトにまとまっていますので
この機会にご興味を持たれた方は、是非ご覧ください。
授賞式の様子の動画もあります。
そして勿論、2015年も「ジュニア映画制作ワークショップ」、やってます。
指導講師は、なんと僕です。
映画学校を出てから映画を一本も作っていない僕に指導講師とは
なかなか思い切ったことをするなと、今でも思っております。
そんな僕と、映画学校の同級生である助監督の古畑耕平、
そして今年の参加中学生17名が作り上げた
映画「ムッツマン」が11月3日に「KAWASAKIしんゆり映画祭」内で公開されます。
映画公式サイト
http://www.siff.jp/jw2015/muttsuman/
ジュニア映画制作ワークショップ2015
http://www.siff.jp/jw2015/
ワークショップの初日に、(自分を棚に上げつつ)中学生に言いました。
「『いい思い出になったね』とか『中学生なのに頑張ったね』なんて言われる作品になったら、
キミ達の負け」
自分で言っておいて、その実、何を以て勝ち負けかなのかは分かんないのですが、
その結果は皆様の目でお確かめください。
一見おかしなタイトルの通り、コメディです。
しかし、優しい友情の映画であり、燃えるヒーロー映画です。
同時上映で、僕が編集するメイキングも上映されます。
彼らのひと夏の奮闘と合わせて、映画をお楽しみ頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
川久保 直貴(日本映画学校23期)