ドキュメンタリーコース

ドキュメンタリーをとおして人間を見つめる
企画、撮影、編集…、すべてを体験的に学ぶ

ノンフィクションもまたフィクションであることを理解し、映像と現実の不⼀致を確かめながら、メディアのあり方やジャーナリズムの役割について探究します。
キャメラを通して人間と向き合うとはどういうことか、映像によるコミュニケーションの多様性を学びます。

ドキュメンタリーコース

コース紹介

学びのポイント

POINT 1

徹底的な取材調査で立体的な人間描写を追求します。

POINT 2

少人数編成 (2~5人)の実習ですべての役割を経験しながら、映画作りの基本を学びます。

POINT 3

実際に制作したドキュメンタリー映画は、地域での上映会や劇場で公開することもあります。

学びの流れ

2年次前期

⼈間と映画の多様性についての理解を深める「演出基礎演習Ⅰ〈ドキュメンタリー〉」

短編ドキュメンタリーの制作を通して、映画制作フローの多様性を学びます。取材対象者との交流を深めながら⾃らの人間観を拡げ、現実を生きる人間を活写することの難しさと、人間に相対することの面白さを学びます。


2年次後期

脚本と演出についての理解を深める「演出基礎演習Ⅱ〈ワンシーン〉」

数⾏の脚本をテキストに、そこに書かれている⾏為、出来事、人物を映像化していきます。ロケハン、美術準備、演技指導、カット割り、編集という⼯程を繰り返すことで、シナリオの読解⼒と演出の基本を学びます。


3年次前期

複数のワークショップをとおして実践的な技術を身につける「ドキュメンタリー専門演習Ⅰ」

「街を撮る」、「部屋を撮る」、「暮らしを撮る」という3つのワークショップで言葉に頼らない映像表現について考えます。次いで「インタビューを撮る」という実習を通して主人公の感情を表現するインタビューの撮影法を学びます。最後に、学んだすべての表現手法を用いて「学生の一日を撮る」という実習を行います。


3年次後期

企画を⽴てる⼒を身につけ、ドキュメンタリーの可能性を探る「ドキュメンタリー専門演習Ⅱ〈企画ワークショップ〉」

企画のあり⽅とドキュメンタリーの多様性について考えます。⾃分たちで企画を⽴案し、取材対象者や出来事へのアプローチ⽅法、主題の広がりについて議論を繰り返して作品の可能性を検証します。卒業制作に向けて、ドキュメンタリー制作の過程とスタッフの役割、主題と⼿法についての理解を深めます。


4年次

4年間の集大成「卒業制作〈ドキュメンタリー〉」

これまで修得したあらゆる知識と技術を総動員して、⼀般公開できるレベルの作品を制作します。出来上がった作品の上映まで⾃分たちの⼿で⾏うことで、映画をどのように観客に届けるのか、「⾒せる」ためのプロセスも体験的に学びます。(卒業制作上映会公式HPはこちら


メッセージ

安岡卓治

作り手の想像力がモノを言う
ドキュメンタリーは「フィクション」だ

安岡卓治Yasuoka Takaharu教授/映画プロデューサー

事実を淡々と映し出すイメージを抱かれがちなドキュメンタリー。しかし、キャメラで切り取れるのはあくまでも現実のごく一部。作り手が一貫したテーマ・コンセプトのもと、想像力と柔軟性をもって数々の「断片」をつなぎ合わせ、どのように再構成するかが作品のクオリティを左右します。取材を受ける側は、キャメラを向けられることで無意識に「演技」をしてしまうものです。キャメラの存在を気にせずに話をすることができる環境や人間関係作りによって、観る側の心を揺さぶる言葉が引き出される。そして、その人の存在価値やメッセージを社会に伝える深みのある作品ができていくのです。
そこに描かれるのは作り手の世界。フィクションといってもよいでしょう。