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脚本家

野木 亜紀子

nogi akiko
現実とエンターテイメントを
天秤にかけながら書くしかない

──脚本家の醍醐味というと、なんでしょう。

「映像になること」じゃないですか? 役者が演じて、演出家が演出して、撮影部が撮って……。その結果、書いてるときの想像を上回るものが出来上がってくると、他人事のように観ちゃう。
自分が書いたセリフがうんぬんではないんですよ。「うおー、みんなすごい!」って感じで観れたときが一番楽しい。ここが、脚本家と小説家で違うところですよね。

安直に解決する物語は
書きたくないし、書けない

──最新作のドラマ『MIU404』ですが、本作のチャレンジングな部分とは?

『アンナチュラル』のスタッフでつくることは大きいです。どうしたって視聴者のみなさんは『アンナチュラル』のような「展開が速い」「ドキドキする」ドラマを期待する。
その期待をどう越えていくか……。と言いつつも、自分たちが面白いと思っているものをつくっていくだけなんですけどね。

──綾野剛さん、星野源さんを主演に迎えた、警視庁〝機動捜査隊〟のバディドラマです。

あまり観たことのないふたりの姿を見せたいと思っています。
いわゆる〝事件もの〟なので、執筆には苦心していますけどね。安直に解決する話は書きたくない、というか、生理的に書けないので。

──とは言え、解決していくわけでしょう?

オチはつけないといけないし、楽しさとかエンタメとしての面白さがないと、事件ものはつらくなっちゃいますからね。
常にフィクションとリアリティを天秤にかけながら書いています。現実社会で起こっている問題に主人公たちの物語をどう乗せていくか、と考えながら。それにしてもいま、世相が暗すぎるから……。

──たしかに。現実社会は問題山積みです。

ドラマでは、リアルな問題を投げかけつつも、主人公ふたりが見せる希望みたいなものを残したいじゃないですか。結局、人って、人でしか救えないし、ひとりでは生きていけない。
どうにもならない問題であっても、そこに、ある種の願いを込めていくしかないのかな、という気がしています。

学生時代に得ることができたもの

貴重な経験となった農業実習

いまはやってないそうですが、当時は農業実習がありました。「日本人たるもの、田植えぐらい知っておけ」と言われて、「もっともだな」と。農家にホームステイだなんて、ふつうなら経験できないじゃないですか。いろいろな意味で勉強になりました。
私の場合、同じ農家に女3人で滞在しました。そのうちひとりは「肉は嫌い」「魚は無理」って子で、知らない人の家に泊まることも苦手だったみたいで、つらそうでしたね。私? 私はそこのおじちゃんと毎晩晩酌したりして満喫しました(笑)。

2020年3月に行ったインタビュー

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 開講されていないコースがあります。