NOW LOADING
高校生のナギは、親友のゆっこを通り魔によって失ってしまう。失意の底にいるナギは、かつてゆっこから向けられていた特別な気持ちを思い出し、何も応えることができなかった自分を後悔する。そんなナギの前に同級生であり、ゆっこに思いを寄せていた菜々子が現れる。ナギは菜々子との会話を通し、亡くなったゆっこに向き合っていく。
主人公ナギをみずみずしく演じるのは、本作が初主演である出口文。親友のゆっこを舞台中心に活躍してきた山田美奈が、菜々子を演技経験豊富な岩波詩織が演じた。脚本は三年生ながら見事選ばれた三年文芸コースの桑原杏奈。どうすることもできない悩みを抱えた登場人物の機微を繊細に描き出す。監督は演出コースの韋宇翔。芝居を逃さないじっくりとしたカット割りで、優しく丁寧に今作を仕上げた。スタッフの大半は留学生で、様々な視点の意見から脚本改稿、撮影、仕上げ作業を進めていった。誰もが抱える他者に対しての後悔と喪失。それらのやりきれない悩みを通じて、それでも前に進もうともがく人々を描く。
高校生のナギは、中学時代からの親友のゆっこから恋心を抱かれていることを受け入れられずにいる。
ゆっこの気持ちに気づいていないふりをして過ごすことによって、「親友」という関係を保とうとしているのかもしれない。
そんな2人の関係を知りつつも、ゆっこに想いを寄せている同級生の菜々子。ゆっこに振り向いて貰えるように努力をするが、可愛くなろうとする度にナギと重ねられてしまう。
ぎこちない三角関係の中で、3人は何気ない日常を送っていた。
しかし、ゆっこが通り魔に襲われ、突然死してしまったことによりその日常は終わりを告げる。
残されたナギは現実を受け止めることができず、混乱していた。ナギの不安定な精神状態を煽るように、菜々子は、ナギがゆっこの想いに気づかないふりをしていた事ことを指摘する。
ある日、ナギは中学生時代に、ゆっこにキスをされそうになった時の夢を見る。
あの時どうしていれば良かったのか、ゆっこに何をしてあげられたのか。
ゆっこが居なくなった日常の中で、ナギは今の自分がするべき事を見つめ直し、告別式の朝を迎える。
出口文
岩波詩織
山田美奈
柴田鷹雄
住本尚子
藤田開
正木佐和
大和田礼子
古川一博
二宮弓子
竹内清訓
福本麗羅
加藤和子
栗本大輝生
趙芷若
永井宗冴
古川莉彩
北岡勇一
監督:韋宇翔
脚本:桑原杏奈
音楽:阿部志帆
プロデューサー:佐藤大夢
副プロデューサー:藤本理子
撮影:聶琳玟
照明:李卓倫
録音:石川航世
編集:堤田絢音
助監督:伊藤慧
演出助手:陳育堂、五十嵐楓
撮影助手:陳澤峰、陈滨阳、马子怡
照明助手:LI LIANGYEN
グリップ:笹久保亮太、湯震、周季、朱鹏皓
録音助手:谷頭真由、付明宇、國吉英斗、王世豪、平良拓斗、山形亜蓮
編集助手:WU YUNTZU、加賀田真慧、徳松芽衣、岡本柚香
記録:伊麗娜熱依力夏提
制作:秦智宇、李奇思、王博洋、王童楽
車両:大城義弘
グレーディング:(株)IMAGICAエンタテインメントメディアサービス 河原夏子
スチール:曽根大樹
メイキング:原口大輝
葬儀監修:大野泰生、小笠原行雄
工キストラ協力:佐藤摩保、LIU YUCHIAO、茜、陳玥伶、高雨欣、永田悠悟、牟泽楷、陶昶宇、李維婧、山口尚真、松阪遥紀、成瀬希望花、谢哲霖、李慧婷、尹一雅、安藤隆也、飯村凪々海、李 林峰、平賀大稀、神藏聖、小西愛由美、李俊輝、鲁姝瑶、兪蕾、小野崎奏人、山田晃己、桝田惠里、小原健生、王镭淇、篠田和喜、土居慎之介、伊藤鈴子、潘歆予、王一诺、南侑冶、河辺摩周、石原 佳月、姜俊豪、鄢婷
ロケーション協力:川崎市立生田中学校特別創作活動センター、ドーナツショップ YOU AND、ハレノヒCOTOCOTO、野澤家、中里由美子、金志瑛
美術協力:株式会社日映装飾美術、高津装飾美術株式会社、日本映画大学学友会執行部、五十嵐玄(PANGAEA)
車両協力:バルクレンタカーアンドセールス株式会社
<作品宣伝チーム>
統括連絡代表:五十嵐楓、秦智宇、谷頭真由
プレスリリース:韋宇翔、伊藤慧、堤田絢音、岡本柚香
メインビジュアル:李奇思、陳澤峰、LI LIANGYEN、笹久保亮太、王世豪、平良拓斗、WU YUNTZU
予告編:聶琳玟、陈滨阳、马子怡、朱鹏皓、石川航世、徳松芽衣、伊麗娜熱依力夏提、加賀田真慧
SNS:藤本理子、陳育堂、王博洋、周季、山形亜蓮、國吉英斗
上映会宣伝チーム:佐藤大夢、王童楽、湯震、付明宇、李卓倫
この作品は、三人の女子高生の中にある葛藤をメインに描いた物語です。主人公が同性の親友から告白されたら、その後の親友との関係はどうなるのか。なんて返事をすればいいのか。その親友がいなくなったら、どうするのか。告白の返事ができなかった過去にどう向き合えばいいのか……。主人公の中に渦巻く、それらの悩みを観客の皆さん自身と照らし合わせ、考えていって欲しいです。
映像業界に飛び込もうとする新人たちが、全てを尽くして作った作品です。スタッフにとっても、キャストにとっても初めて尽くしで、間違え、壁にぶつかり、ときには前に進む。脚本の改稿作業から最後の仕上げまで、数多く障害のあり、それらに組全員で一つずつ取り組んでいく日々でした。私はときに躊躇したり、迷ったりしました、しかし、30人もいる仲間たちが自分のわがままや考えをフォローしてくれました。つくづく実感したのは、この仲間たちで良かったということです。
ナギ役の出口文さんは本作が初主演作です。彼女とはキャスティング期間からこの作品やナギという少女について議論を続けて、一緒にナギを作り上げていきました。ほぼ全シーン出演のため、非常に疲れていたと思いますが、毎日元気に現場にやって来て、作品に向き合う彼女の姿に私たちは元気づけられました。ゆっこ役の山田美奈さんも、その明るい性格と笑顔で現場の雰囲気を明るくしてくれました。私自身も彼女の笑顔に何度も助けられました。菜々子役の岩波詩織さんは3人の中で一番芝居の経験のあり、自らの芝居にとことんストイックな方で、私たちの作品を支えてくれました。私は長回しをして、彼女たちの芝居を逃さないようにしました。
私たちはまだ成長途中であり、この作品が完璧な作品だと言えません。それでも私たちは、この半年間の出来事や学んだこと、出会うことができた人たちを一生忘れることはないでしょう。
監督:韋宇翔