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ALS(筋萎縮性側索硬化症)は致命的な神経系の病気で、主に脳と脊髄に影響を与え、筋肉が徐々に弱まり、最終的には呼吸不全により命を奪います。日本には約1.2万人のALS患者が存在し、中国では約20万人、世界全体で100万人に達しています。現在、有効な治療法は確立されていません。
ALS患者として最も有名なのは、イギリスの物理学者スティーヴン・ホーキング博士です。彼は21歳でALSと診断されながら、予想を超えて長生きし、医学にも大きな影響を与えました。また、『幕末太陽傳』の故・川島雄三監督もALSに苦しんでいました。
中国の古都・西安にある西安中医脳病医院では、初の「ALS専門病区」を設立し、500人以上の患者を治療しています。この取り組みへの関心が高まり、ますます多くの患者が訪れています。本作は、西安中医脳病医院のALS専門病区で ALSと闘う患者・楊天龍と妻・衛淑芳の物語を描き、絶望の中でもお互いに支え合う二人の絆を強調しています。死と向き合う家族の愛と支援の重要性を問いかけ、社会がALS患者にどう向き合うかも描かれています。
農村出身の妻・衛淑芳は、ALSを患う夫・楊天龍と共に病院に住んでおり、2年以上家に帰っていません。かつて鉱山で働いていた楊は、命を削るような過酷な仕事をしていましたが、今では呼吸が困難となり、長期入院を余儀なくされています。衛は病室で寝泊まりを続けながら、24時間体制で世話を続けています。
毎日夫の体を拭き、寝具を交換し、経鼻胃管で食事を与えます。夕方には食事の材料を買いに出ますが、病室を離れるたびに、夫の心拍数が上がっていないか心配で、長時間離れることができません。
病状が進行し、完全に身体の自由を失った楊は、医療機器に頼らなければ生きられません。病室は彼のすべてとなり、他のALS患者たちと共に、不安と希望が交錯する日々を送っています。時に、妻に対して怒りをぶつけることもあります。
経済的な理由で専門の看護師を雇う余裕がなく、衛は独学で介護技術を学び、夫の世話をしています。医療費の負担と貯金の減少に悩みながら、彼女は涙をこらえます。「もし最後にあなたを守れなかったら、私はどうすればいいの?」
衛淑芳
楊天龍
付成保
張公正
張会勤
洪賢徳
劉愛蓮
陳斌
宋艶
潘月紅
監督・録音:王馳文
プロデューサー:本田汐
撮影:王笒笙
編集:本田汐、王哲
字幕:本田汐、劉宇喬、袁超男
協力:閆炳蒼、孫成波、李京偉、王博洋、西安中医脳病医院、陝西省ALS患者ケア互助協会、西安京都超市
<作品宣伝チーム>
統括連絡代表:本田汐
プレスリリース:王馳文
メインビジュアル:袁超男
予告編:王哲
SNS:劉宇喬、王笒笙
上映会宣伝チーム:本田汐、王馳文
ALSは絶望的な病であり、現実にはこの病を理解している人は少ないのが現状です。ALSは患者とその家族に深刻な影響を与えます。診断を受けた瞬間から、患者の生活は大きく変わり、体力を失い、自己管理ができなくなります。一方で、家族は巨額の経済的負担と精神的ストレスを抱えることになります。
本作は、ALS患者とその家族と接する中で感じた深い感動から生まれました。彼らの生命への執着、家庭への愛、そして日々の厳しい生活が私の心に強く響きました。私はこの映画を通じて、その現実を多くの人々に伝えたいと考えています。この作品は単なる映画ではなく、社会的な責任を担っています。観客はこの映画を通じて、ALS患者の苦しみとそれを支える家族の力を知ることができます。また、社会的な問題として、私たちは弱者をどのように支援すべきかを考えるきっかけを提供します。
もしこの痛みが私たちに降りかかったら、私たちはどう向き合うのでしょうか。重病患者の世話をする中で、家族が感じる無力感、支援を続ける忍耐、そして愛がどれほど命の脆さと大切さを教えてくれるか、その重要性を深く実感しました。この映画を通じて、ALS患者とその家族が直面する現実について深く考え、社会全体が弱者を支え合い、助け合うことができるようになることを願っています。
監督・録音:王馳文