2015.09.22

Category:OB

「常に2番手」神村友征(映画「夏ノ日、君ノ声」脚本・監督)

神村友征

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は常に2番手だった。
日本映画学校に入って初めての実習でシナリオのコンペをした時。
そして、映画学校生活で最大の僕の目標であった
「卒業制作」の脚本コンペも2番手で落選だった。
本当にあと2,3票の差だった記憶があるので
今でも落選の瞬間を思い出す時がある。

 

僕には才能が無いのだと思った。
そして荒れた・・・

 

卒業して映画の現場に行くでも、就職するでもなく
バイトをしながら
卒業制作用の脚本を書き直していた。

 

そんな、鬱屈とした日々を過ごしていると
師である渡辺千明先生から連絡が・・・
「シナリオ講座に来い」と
意味が判らなかったが、半信半疑で話を聞くと
「シナリオ講座で教えることになったからお前も来い」
と、本当に救いの言葉だった。

 

それから一年
みっちりと師の教えを学んだ。
今でも覚えている師の言葉がある。

 

「お前のホンは尖り過ぎて、詰め込み過ぎだ。面白いけど・・お前にしか
 このホンは分からん」

 

1年しっかり学び終えたある日
師から「現場へ行って来い」と言い渡された。

 

そして、その言葉通り
免許を取り、映画の現場へと踏み込んだ。

 

現場入りしてからの10年は
怒り・悲しみ・堕落・現実逃避の雨あられ。
それについては長すぎるので割愛させて頂くが

 

師の元を離れてから、現場に足を踏み入れて10年後
僕は自分で作った会社(らんくう)で一念発起し、
自主で短編映画を作った。

 

そして、その結果も
ある映画祭で準グランプリ・・・
またしても結果は2番手。

 

つくづく才能の無さを嘆いた。

 

しかし、見ている人はいるもので
今回の長編映画(「夏ノ日、君ノ声」)を作ることが出来た。
本当に色々な人に助けて頂いた。
全てが上手くいった。
そして公開が決まった。

 

今回の脚本を書きながら
いつも悩んだ時に思い出していた事がある。
それが師の言葉だ。

 

「お前のホンは尖り過ぎて、詰め込み過ぎだ。面白いけど・・お前にしか
 このホンは分からん」

 

この言葉を反芻し、映画は人に伝わらなければ意味が無いと
わがままな自分に言い聞かせ

全ての人に伝わる話を書いた。つもり・・・

昔は1番にならなきゃ何の意味も無いと思っていた。

 

でも、今は思う。
常に2番手で良かったと。

 

だって、1番になる努力をこれからも
続けていけるのだから・・・・

(日本映画学校 映像科14期)

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【映画情報】
映画「夏ノ日、君ノ声」
出演:葉山奨之 荒川ちか
古畑星夏 / 木乃江祐希 影山樹生弥 五十嵐健人 柾木玲弥 大串有希 小菅雅乃
松本若菜 大口兼悟 永倉大輔 菊池麻衣子 ほか
監督・脚本:神村友征(日本映画学校 14期) 
撮影・野村芳輝(日本映画学校 14期)
録音・鈴木健太郎(日本映画学校 18期)
主題歌:「君ノ風」N.O.B.U!!!
後援:静岡県牧之原市 特別協力:静岡まきのはらフィルムコミッション 
制作プロダクション:らんくう 配給・宣伝:ユナイテッドエンタテインメント
(C)「夏ノ日、君ノ声」製作委員会

 

【公開劇場】
10月24日(土)~
(東京) 角川シネマ新宿
(大阪) 大阪セブンシアター
(名古屋)中川コロナシネマワールド
(名古屋)イオンシネマ名古屋茶屋
(名古屋)半田コロナシネマワールド
(静岡)  藤枝シネプレーゴ

 

「夏ノ日、君ノ声」公式HP:http://natsunohi.united-ent.com/
株式会社らんくうHPhttp://www.ranku.jp/

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