2009.01.20
Category:OB
日本映画学校に足を踏み入れて、手にしたいものは、なんだろうか?
たとえば、撮影現場に足を踏み入れて、手にしたいものは、なんだろうか?
よく、助監督に疑問を抱くことがある。
「今まで、何を勉強してきたのか?」
単純な仕事を依頼する、
「スケジュールをFAXして下さい」
その前に、もう一つ助監督に確認することがある。
「FAXの送信は出来ますか?」
すると、こう言う。
「出来ます。」
―――― 話をまとめよう。
もちろん、見習いの演出部がFAXを送信することは難しい。
もし、社会人の経験がある人材なら、問題ないだろう。
しかし、ほとんどの人材が、「FAXを送る」から学ぶのだ。
基本的な、社会人としてのルールや、教養が未熟な場合が多い。
私こそ、偉そうなことは言えない。
論外であるハズの「日本語」でさえ、疑われていたのだから。
見てられないほど、惨めであった。
しかし、まだ日本という国に来て、7年足らずなんてことは、言い訳にはならない。
逆に、それを気遣われると死ぬほど悔しかった。
ほとんどの演出部見習いが、「監督」を目指して現場に足を踏み入れる。
しかし、現場に入った新人に、求められる能力は、
「監督的な動き」ではなく、社会人としての「基本的な動き」なのだ。
ここを履き違えると、「巨匠見習い」と言われる。
で、今から、本屋に走って行き。
「社会人の基礎知識」という本を買ってください。
ということを、言いたい訳ではない。
そこは、自発的な発想にお任せする。
―――― 改めて、
「価値ある選択とは、」
仲間を大事にし、
仲間を裏切らず、
仲間を尊敬する。
これに対する選択を間違えなければ、あなたは今よりも遥かに、
「監督」というポジションに近づけるはず。
あとは、「センス」と「運」に任せる。
そして、自分という「志」を、言葉などで、安売りしないことだ。
ちなみに、私は「巨匠見習い」と言われたことがある。
日本・韓国・フランス・ドイツの合作映画「Tokyo!」の中で
Bon Joon Ho 監督作品「シェイキング東京」での一枚。
非常に刺激的で貴重な経験をし、私に多くの影響を与えた現場でした。
――― ミッシェル・ゴンドリー監督やレオス・カラックス監督の作品を含めて、
試写会で見た3部作の重みは、最近の日本映画では味わえないものかもしれません。
(日本映画学校 映像科13期生)
「Tokyo!」DVD来年春発売予定
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