2010.10.26

Category:学生

「『モーレツ映画塾』中のこと」森重 智(映像科2年)

 

大変恐縮ではありますが、まずは能書きを垂れるところから始めさせていただきたいと思います。
毎年、夏にBumbスポーツ文化館で開催される、中学生が映画製作を体験するワークショップ「映画はスポーツだ!~中学生の映画塾~」
その昨年度の様子を記録したドキュメンタリー作品『モーレツ 映画塾』(監督:森重智)が第14回JPPA AWARDS 2010 学生部門 表審査員奨励賞に選ばれました。

 

ポストプロダクション(映像作品の製作における撮影後の作業の総称)業界の発展を目的とした社団法人JPPAが主催する、大変名誉ある賞で、映画学校の歴代の卒業作品も多数受賞されてます。
ただ、在学中に受賞したのはどうも私が初めてらしく、その身に余る光栄に、授賞式が5月のことだったというのに、いまだ実感が湧きません。
去年の初夏、映像科の1年で右も左も分からなかった、私がただ、ただ、猪突猛進、飛び込んだのが、中学生の映画製作をやっているこのワークショップでした。
1学期にお世話になった指導講師の方が、夏休みの期間、何やらお手伝いさんを募集してるという話を聞きつけ「なんでもいい、ためになりそうなら」と正直な話、内容や日程もろくに把握しないまま参加を決意していました。

 

その上、たしかワークショップ初日に「将来こういう事やりたいんでやらせてください」とさして説得力も無い、こんな一言で私はドキュメンタリー製作を任されることとなりました。
今思うと、何と無策で、何と常識知らずな、と省みる一方、同時に、そんな自分にチャンスを与えてくださった事に関しては本当にとても有り難いことであったと感謝しています。
ただ、やはり無策は無策。恥ずかしながら、その時まで、私はビデオカメラもろくに手にしたこともなく、特に最初の方は、もう完全に素人そのものでしかありませんでした。
ただひたすら撮り続けたDVテープ約70本。そのほとんどが、さしたる狙いもなく、ブレがひどくて使えなかったのには後悔の連続でした。また、編集ソフトの使い方どころか、「メモリって何?CPUって何?HDって何」といったPCの基礎知識すら、ほぼゼロだった私にとって編集作業はPCトラブルとの戦いでもありました。
そんなトラブル続きで気が滅入る一方で、中学生のそれとはいえ映画製作の現場に初めて立ち会えたり、ワークショップの指導監督でもあり、映画学校OBでもある福田陽平監督から夜を徹してまで、映像業界の生の話をたっぷりと聞く事が出来きたりと、貴重な機会に立ち会うことができました。

 

そうするうちに見えてきた、あまりにも大きい、プロと自分との立ち位置の差。
「今のままじゃ、足りない。後、卒業まで2年半(当時)あるけど、このレベルにまで知識も意識ももってかなきゃいけない」
作品の完成も迎え、改めてそう痛感したのが、たしか去年の今頃。
それから学内外で、作品を1つ2つと経験していくうちに、1年はあっという間に過ぎていきました。
さて、現在、卒業まで残すは1年半ほど。
より本物のレベルに近づける。今もそういった上は見据えつつも、ただ、なおざりになってしまう、光学基礎や音声基礎から構成の練習など、基礎の基礎にも改めて向き合って猛勉強している真最中です。
(日本映画学校 映像科24期生)

 

 


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