2011.07.19

Category:学生

『愛しのハン・ソロ』 萩野洋平(日本映画学校 映像科2年)

 

さてはて、初コラム。 
やっと来たかという感じですね。 
では、まあ~私が初めて映画を作りたいと思った時の話から始めましょうか。

 

あれは確か、小1の時『スターウォーズ特別篇』(1977年に公開された“オ
リジナル版”を再構築した物)を、有楽町の映画館に観にいった時~

 

上映が始まり、 
目の前に広がったのは、壮絶な銀河戦争。 
自分は特別SF好きと言う訳ではなかったけれど、 
始終、食い入るようにスクリーンを眺めていた。

 

しかし、上映が終わり、 
映画館の灯りが付いた時、気付く。

 

これ映画だったんだ…

 

すごい虚無感に陥った。 
嘘だろ。今の世界が作りもの…?

 

でもしばらくして、ある考えが頭をよぎる。

 

まてよ、 
これが作りものだということは、 
これを作った人間がこの地球上にいるってことだ。

 

監督の名は? 
ジョージ・ルーカス… 
なんてヘンテコな名前だ。

 

でも、 
そのルーカスさんとやらが異星人でない限り、 
彼も自分と同じ人間ということだよな…

 

ならば、作れる…俺にもやれる。

 

その瞬間、 
一人の少年に一つの明確な夢が出来る。

 

“映画を作る人になりたい”

 

そう思ってから、友達を家に呼び~ 
ホームビデオカメラで映画作りを始める。 
台本は書かず、即興で台詞を付け、芝居をさせる。 
自分は~カメラマン兼、監督をやっていた。

 

そんな少年は、夢を追いかけ続け 
日本映画学校に入学。 
一年は河本ゼミ、二年は音響ゼミに入った。

 

そういや~ 
ずっと演出志望だった自分が、音響ゼミに入ると決めた時~ 
周りのみんなは驚いた。 
“なんで?”とか“お前、逃げたな”とかいろいろ言われた。 
…けれど、これはかなり考えた末に出した結果だった。

 

自分は以前から“音”に興味があった。 
映画を通じて、音が映像に与える影響力を知り~ 
その神髄にちょっとでも触れたかったのだ。 
音を上手く、かつ効率的に扱えるようになれば、より面白い作品を作れる。そう
思うのだ。

 

音響の仕事は、演出などとは違い、縁の下の力持ち的な部分がある。 
けれどその一方で、かなり重要な役割を担っていたりして~ 
今や、映画にとっての必須アイテムだ。

 

だのに、 
あくまでも、“主役を、陰ながらに支える” 
このスタンスを変えない所が、非常に自分の性に合う。

 

自分は人の上に立つような器ではない~ 
でも、常に頼れる人間でありたいとは思う。

 

そう。 
自分はルークにはなりたくない。 
なりたいのはハン・ソロなのだ。 
(日本映画学校 映像科25期生)

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