2015.02.03

Category:OB

「『ヒトジチ』というアイルランドのお芝居を上演します」 平松多一(劇団民藝 制作部)

 

2月6日から紀伊國屋サザンシアターにて『ヒトジチ』というアイルランドのお芝居を上演します。

この物語は、アイルランドの首都ダブリンの朽ち果てた安宿が舞台。
作者のブレンダン・ベーハンは、いまから50年前くらいに活躍した劇作家で、若いころにIRA(アイルランド共和軍)に所属し、イギリスに対する抵抗活動を行いました。
お蔭で10代後半から20代のほとんどを刑務所ですごしたそうです。
『ヒトジチ』はベーハンの数少ない長編戯曲の中でももっともヒットした作品で、アイリッシュダンスや歌もふんだんにでてく賑やかなお芝居です。

 

17日まで上演していますが、この時期は卒製の発表会やら入試やら大学関係はどこも忙しいのですね。

私が日本映画大学の前身の横浜放送映画専門学院に入ったときは、入学試験というものはありませんでした。
来る者は拒まず去る者は追わず。学校案内(パンフレット)には「君の才能は映画づくりに向いているかもしれない」という文字が割と大きく印刷されていました。その書体まで、30年たったいまでもよく覚えています。

 

さて、ウィスキーに目がなかったベーハンさん、最後はアルコールで体をだめにして41歳で惜しまれつつ亡くなってしまいます。

ある時、新聞記者から『ヒトジチ』のメッセージは何? と問われ、答えていわく「俺は郵便じゃねえよ」。書いた人も型破りならその舞台も型破り。

 

ベーハンさんは、塀の中でジョイス、バーナード・ショーなどアイルランドの作家を濫読したそうで、さながら刑務所が彼にとっての大学だったのでしょう。

こんな人もいたんですね昔は。
脚本家をめざしている私の若い友人の近藤さん(20代女性)は「新劇とか民藝とか難しくって……」といつもは言っていますが、今回はしっかり「IRAってなに……?」という疑問も事前に調べるとのこと。
いつもの駅前の居酒屋で、ウーロンハイ3杯目にそう約束しました。
気合をいれて客席に座るそうです。ちょっと心配ではあります……。

(横浜放送映画専門学院 映像科11期生)

劇団民藝ホームページ>> http://www.gekidanmingei.co.jp/

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