2016.01.26

Category:OB

「M78星雲は、ニライカナイか」平松多一(劇団民藝・制作部)

 

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今年はウルトラマン放送開始50周年だそうです。

この2月10日に開幕の『光の国から僕らの為に―金城哲夫伝』は、そのウルトラマンの脚本家でありプロデューサーとして辣腕をふるった金城哲夫の波乱に満ちた半生を描いた評伝劇です。

 

彼の出身地は沖縄です。

沖縄といえば、今村昌平監督の代表作『神々の深き欲望』が思い起こされてきます。
私は、以前、『神々―』の今村監督との共同脚本家、長谷部慶治さんにインタビューしたことがありますが、長谷部さんは『神々―』脚本執筆の取材のために今村監督と二人で何度も沖縄を訪れたことをまるで昨日のことのように、話してくださいました。
 監督が地元の人でさえ行かないような、森や林の奥の奥までどんどん突き進んでいくのでガイドの人も呆れはてた、そんなエピソードもありました。というより全編そんなエピソードに彩られていたように思います。

 

そこには二人の作家が一つの題材に魅入られ、作品とするまでの執念が感じられもして、とても印象深かったのでした。

 沖縄で育ち少年期に沖縄戦を経験している金城さんのどんな思いから、ウルトラマンが誕生したのか、ということも今回のお芝居のひとつのポイントだと思います。
 ウルトラマンの故郷、M78星雲は、沖縄の人にとっての理想郷、海の彼方のニライカナイをイメージして考えられたとも聞いています。

 

金城さんは、沖縄に帰ってから沖縄海洋博覧会の演出をされたりしますが、海洋博閉会間もなく37年という短い生涯を終えました。

 『光の国から僕らの為に―金城哲夫伝』は、若きクリエイターの栄光と挫折のものがたりという見方もできますが、現代の沖縄をめぐるさまざまな問題も射程にいれた深い広がりをもつ舞台になると思います。

 

川崎市アートセンターでの理論コースの企画上映「ウルトラセブン47話 あなたはだぁれ?」とあわせて、紀伊國屋サザンシアター『光の国から僕らの為に―金城哲夫伝』も是非、ご覧になってください。

(横浜放送映画専門学院 映像科11期生)

 

劇団民藝ホームページ>> http://www.gekidanmingei.co.jp/

 

 

 

 

 

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