はじめまして、日本映画大学です。
お待たせしました。2011年春の開学から4年、いよいよ第1期生の卒業制作映画をお披露目するときがやって来ました。
私たちは、創始者である今村昌平監督が遺した「人間とはかくも汚濁にまみれていて、ピュアで、うさんくさくて、助平で、優しくて、弱々しくて、滑稽で面白いものか……」という言葉にひたすら向き合ってきました。しかし、とうとうこの大きな問いに答えを見出せないまま、卒業を迎えることになりました。
この4年間で学び得たことは、とても一言では説明できません。ただ、間違いなく言えるのは、それぞれの腹の底に映画的な「何か」が棲みついたということです。その「何か」にやがて火がつくとき、私たちは映画界に突風を巻き起こすことになるでしょう。
俺たちは、静かに燃えている。
最近の若者は冷めていると言われて久しい現代ですが、映画に夢を抱く私たちにその言葉は通用しません。
私たちは出身地も年齢も経歴も関係なく、ただ「映画」というものに強く心を惹かれ、吸い寄せられるように集まりました。そして「全ては作品のために」を合言葉にひたすら映画を撮り続けました。
いま、私たちの作品が初めて劇場のスクリーンに投影されることに喜びと期待を感じています。これまで溜め込んできた映画に賭ける想いが、この春ついに爆発します。
この度お披露目する7作品は、これから映画の海へ飛び込む私たちが、力の限りを尽くして臨んだ学生生活の集大成です。思いおもいに撮り上げた渾身の作品をどうぞ存分にお楽しみください。上映の日は、ひとりの映画人としての誇りを胸に、これから始まるそれぞれの映画人生の幕明けに、粛として臨みたいと思います。
卒業生一同、皆様のご来場を心よりお待ちしております。
日本映画大学 映画学部 映画学科 第1期生
第1回 卒業制作上映会 実行委員
山下大裕
卒業制作について
本学の卒業制作は4年間の集大成として、企画・脚本・キャスティング・ロケハン・リハーサル・撮影・ポストプロダクションなど、専門コースごとに修得した技術を用い、約1年をかけて学生主体で完成させるものです。
制作の過程で数々の困難や失敗を経験しながら、今年度はバラエティに富んだドラマ3本・ドキュメンタリー4本の映画が完成しました。また予告編などの制作も学生によるものです。
映画を知り、人間を知る。学生たちの想いを、ぜひスクリーンでご覧ください。
日本映画大学とは
日本映画大学の源流は1975年。横浜。映画教育40年で、6,500人以上の卒業生を映画業界に送りだしてきました。
次の世代を担う、新しい“映画人”を育てることが私たち、日本映画大学の使命です。