2005.07.25

Category:OB

「3月に卒業してから・・」戸来聖美(テレビドラマスタッフ)

 

今私は、9月にフジテレビで放映される2時間ドラマに制作助手として参加している。
連続ドラマのAP(アシスタントプロデューサー)、映画の制作進行の仕事を経て、今年3月に卒業してから三作品目になる。テレビの仕事としては、ニ作品目の仕事である。

 

テレビドラマというと、なんだかものすごく忙しくて、オンエアに向けて詰まりに詰まったスケジュールで撮影を進行していくというイメージがあった。まだあまり経験しているわけではないが、前に参加したドラマは撮影がすごく早くて、なかなかそのテンポに付いていくことができなかった。できあがりが45分という作品を半年かけて作る卒業制作作品と比べると、同じ一話45分というものを、わずか一週間で撮り切るわけだから、その違いは半端なものではない。創作しているというよりは、こなしているという感じがして、ぶっちゃけ少し抵抗があった。

 

それが今回の現場では、そんなイメージを見事に覆された。3月から準備が始まり、5月から7月まで時間をたっぷりかけて撮影していく、贅沢な現場である。周りのスタッフから聞く話では、そんな現場は滅多にないという。今回の監督が担当した別のニ時間ドラマで、1カットの実景を3日間かけて撮ったという話を聞いた。なるほど、見たら確かに凄かった。『Dr.コトー診療所』の2時間スペシャルの中にあった沖縄の実景を写した最初のカットがそれである。そうやって、モノを作っていけるってやっぱり素晴らしいなと思った。
先日、以前参加していた映画の初号試写があり、久しぶりに再会した先輩と飲みに行った。作品の話、仕事の話そして最近の映画の話など織り交ぜて、人間について熱く語っていく・・・。いろんな現場があり、いろんな人と出会う。
普段はあまり話さないようなことも真剣に語り合ったりしながら、いろんな作品を今後も作り続けていければいいなと思う。私は幸せな空間に居る。

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