2005.11.14

Category:OB

「舞台『ソウル市民』に出演します」有山尚宏(俳優)

 

12月中旬、舞台「ソウル市民」 http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/frame.html に出演することになりました。この作品の簡単な説明ですが、「ソウル市民」は青年団の舞台として1989年に初演され、その後も再演を繰り返してきた作品です。日本が韓国を併合する前年、1909年の韓国ソウルに暮らす、ある日本人の家族の姿を典型として描いた平田オリザさんの戯曲です。

 

まず、今回の「ソウル市民」でお知らせしたいことは、演出がフランス人のフレデリック・フィスバックさんであるということです。もちろん私は海外の演出家と仕事をすることは初めてで、フランス人のフィスバックさんが韓国ソウルを舞台にした平田オリザさんの戯曲をどのように再創造されるかが、この舞台の魅力の一つでもあります。

 

さて、フィスバックさんが、9月上旬に一度来日して1週間ワークショップを行いました。ワークショップと聞いて、皆で体を動かすことを想像しましたが、1週間かけて台本を始めから終わりまでゆっくり読むという、台詞を覚えることよりも、まずは皆で一緒に台本を理解することを大切にしたものでした。フランス語と日本語の微妙な違いを埋めていく作業でもあったと思います。あと面白かったのは、自分の台詞を間をあけずに読むことです。感情を入れてはだめでただひらすら読みました。演出家は、皆がそれぞれの登場人物を理解することが大切だと言ってました。

 

11月1日からは舞台稽古が始まり、稽古初日は顔合わせと本読みの予定でしたが、稽古場の真ん中には本番用と同じ舞台装置が用意してありました。 
顔合わせにはちょっと障害物になり、実際稽古場に来て見た時は正直驚きましたが、今は稽古初日から舞台装置の上で本読みが出来たことは、この作品にはとても必要なことだと感じています。
今の稽古場は状況をうまく伝えることは出来ませんが、始めから終わりまで本読みをして、翌日から台本を持ったままでいいから立ち稽古をしていく時に、戯曲の最初から順番にやっていかないところも、私にとって面白いと感じられることでした。理由は最初からやっていくとそれぞれの役に感情が入りやすいからだそうです。舞台稽古が進むごとに他にも皆の共通のルールというものがたくさん生まれています。

 

12月11日から25日まで三軒茶屋にあるシアタートラムで上演しますので、ぜひ劇場までおいで頂きますよう、よろしく お願い申し上げます。

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