2006.09.11

Category:学生

「大作映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』の東映撮影所セット見学」櫻井伸嘉(撮影・照明コース2年)

 

教務課の五十嵐さんと広報課の赤塚さんに連れられ、何人かの映画学校の仲間と憧れていた映画スタジオ内に初めて足を踏み入れることができた。
腰を低くしながら中に入ると、あまりに立派な昭和30年代の日本家屋セットに驚かされ、見たこともない大きな照明機材にあっけにとられ、これが大作映画のセット撮影現場かと感激した。生でみる35ミリカメラは迫力があり、これで私が今まで見てきた映画が撮られてきたと思うと、私も早くこんな現場で仕事したいと強く思った。

 

時間が経過し、私の目も「あーこれはただの昔風の日本家屋で、おばあちゃんの家もこんな感じだったな」と冷静に見ることができるようになると、映画セットは意外に見えないところはむき出しになっていたり、井戸のセメント部分は木でできていたりと、いかにもそれらしく装っているだけだなと思う半面、これが技術かと関心させられた。

 

おや、目の前にいるのは・・・もしや岸恵子ではないか?!お!桜井幸子!寺田!ブラウン管やスクリーンでしか見たことのない役者が椅子に腰を下ろしていた。いよいよ撮影が近くまで迫っている証拠である。新城卓監督、上田正治カメラマンがスタンバイし2.3声をかわす。役者に指示を手際よく伝え「本番。よーい あい」力強く、太く、いかにも男らしい掛け声だった。ついさっきまでは、スタッフのざわついた声、足音などがスタジオ内を包んでいたのが、一瞬にして無音と化した空間となった。人がいる気配だけを残し、かすかな音も聞こえない世界へと一変したのだ。

 

「これがスタジオ撮影か!」

 

と思った瞬間であった。そして、あまりにも早い監督の現場進行に驚いた。これがプロの仕事か!!学生の現場とは集中力が違う。俳優はすでに役に入り込んでいるためか、監督の掛け声に当たり前のように体が動く。完璧な演技で答えるが、微妙なタイミングにテイク2となる。集中しなおし、次には完璧に答えた。さすがだ!

 

あらゆる面でレベルが違う。卒業してからこのようなレベルの高い現場で働けることを夢見ながら学生生活を頑張っていきたい。学生時代に貴重な体験をさせていただきありがとうございました。

 

2007年初夏公開
『俺は、君のためにこそ死ににいく』 http://www.chiran1945.jp/

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