2007.02.19

Category:学生

「鼻折れっ放しの現場」加藤 彩(編集コース3年)

 

時間が流れるのって本当に早い。あっという間に21歳になり、あと少しで卒業、学生生活も終わりだ。
物心ついた時から今までずっと「学生」というカテゴリーに属して生きてきた。だから、「学生」じゃなくなってしまった、ほんの少し先の自分がみえない。不安が募る。一体何歳まで夢というのはみていいんだろう。頭の中にそんな考えが渦巻いてたけど、特に何をするでもなく毎日を過ごしていた。

 

それが、突然、深夜ドラマのスクリプター見習いで参加出来ることになった。将来について考えるいい機会だと思い、張り切っていたらクランクイン前日に転んで鼻の骨を折った。この仕事はむいていないという神の暗示の様な気がしてならなかったが、初日から休むのはマズいだろうと思い、とりあえず鼻折れっ放しのまま現場に突入した。

 

現場ではそれこそ右も左も分かんないし、暑いし、眠いし、遊べないし、鼻痛いしで、本当に辛かった。自分で根性ナシとは分かっていたが、まさかこれ程とはと驚く早さで何もかもが嫌になった。体力もないので身体もボロボロになり、ひたすら栄養ドリンクを飲んでいた。もう帰りたい、こんな仕事は無理だ、将来どうしよう、もうやだ、そんなことばかり考えていたが時は流れ、クランクアップまで1ヶ月現場に行った。自分の頭の中の「忘れる」という機能万歳。終わってしまえば、現場での辛かったことなんて80%は忘れている。そして、自分をスーパーポジティブに生んでくれた両親に感謝。現場でたまにちょっとだけ楽しいことがあると「やっぱこの仕事やるしかない」ってテンション上がってた。スクリプターになって、自分が歯車のひとつになって映画をつくりたい。今は、そう思っている。
現実は本当に厳しくて、きっとこれからも数え切れない程もうやめたいって思うだろうから、それに負けない精神力と体力が欲しい。たくましく生きたい。筋トレしよう。

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