2007.04.02

Category:学生

「ダビング見学を終えて」高木隆介(音響クリエイターコース2年)

 

先日、新城卓監督作品「俺は、君のためにこそ死ににいく」のダビングを見学させていただきました。

 

場所は、東映撮影所の中にあるダビングスタジオ。扉を開けると一般の劇場並みの大きさのスクリーン、中央には大きな調整卓とパソコンのディスプレイがいくつも。新城監督からお声をかけて頂き、用意していただいた椅子に座りダビング作業を見学しました。
本日はダビングの3日目で作品の見せ場でもある特攻シーンがある日でした。13時から始まったダビングは5ロール目で、主に特攻前夜までのドラマ中心でした。テストを終え監督から指示が入ります。音楽のボリュームや台詞の微調整、監督のイメージを的確に伝えていく・・・何度も話し合っていたのか、冗談を織り交ぜながらの交渉(?)で本番へ。1ロール約20分、テスト、本番とあっという間に1ロール終了。
10分ほどの休憩が入り、このころから徐々に緊張が解けてきました。この様な大きいスクリーンとスピーカーの中で行うダビング、とても迫力があり自分たちが行っているものとは比較にならない・・・「これがダビングなのか」というのが率直な感想でした。

 

2ロール目が始まる前、監督から「耳塞いでおいたほうがいいよ(笑)」との御言葉を心に留めテストを見ていると、いよいよ特攻シーン!!音のことなど忘れてしまうほど見入ってしまう激しく衝撃的な戦闘シーン。圧巻・・・。そして感動。いち観客になっていました。しかし、テスト終了後監督からいくつかの修正点をミキサーの方へ。調節の為様々な音(隼の爆音や機関砲、大砲)がダビングルームを目まぐるしく飛び交う!ミキサーの方が戦闘機の音の調節をするのですが、いくら耳を凝らしても明確な違いが分からずプロとの違いを痛感しました。調整終了後、窪塚洋介さん扮する板東勝次の特攻シーンに掛かる音楽を何度も何度もテストを繰り返し本番突入!戦闘シーンは順調だったのだがロール終盤にある蛍のシーンで流れる風鈴のタイミングにミキサーの方からNGがでてもう一回・・・のところで見学時間終了。最後まで見たかったですが仕方ありません。完成版は劇場で拝見させて頂きます。

 

自分たちが学校でしているダビングはこんなに凄い環境では行っていませんが、気持ちの面では同等だと感じました。音に対する気持ち、作品に対する思いが強くそれが一丸になればよい作品が出来ると思います。今回のダビングでは技術よりも「心」の部分を垣間見させて頂きました。

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