2010.11.30

Category:学生

「最高のビールのレシピ。」伊藤祐真(日本映画学校 映像科3年)

 

ビールというのは麦、水、酵母、ホップで作ります。

まずは麦を発芽させて煮込み、麦のジュース「麦汁」を作り、そこにホップを投入し香り付けをし、酵母を投入し……。

 

あ、ここは日本映画学校のホームページか。でも、僕はこの学校で映画の事ももちろんだが、最高のビールのレシピも教わったので続けさせていただく。

そうやって工場で丹誠込めて作られたビール達は小売店や居酒屋、バーなどを通して僕たちの元に届くわけで、この時点で既にとてつもなく旨い。
しかし、もう二つスパイスがある。それは「苦労」と「仲間」だ。

 

二年のある実習のクランクアップの日。

僕が皆に
「これからウチで飲もうぜ」
と言ったら
「いやいや、さすがに疲れた。また今度な」
と言われて、しょんぼりしていたら監督だけが
「俺は飲みたい」
と言ってきた。少し寂しいけど、二人でコンビニへ向かった。
「こんな日だしな。発泡酒じゃなくてビールを買おうよ」
なんて話しながらハイネケンの瓶を買った。
僕の汚いアパートに行き、暖房を付けて、座椅子に座る。
二人はまるでベタベタのチャーハンみたいに生気がない。
ハイネケンの王冠を外す。
「ふぅー。……はい。かんぱぁ?い」
ゴクリ、ゴクリ、ゴクリ。すると、どちらからともなく笑いがこみ上げてきた。
「ブハハハハハ! 何っだコレ! メチャメチャうめぇぞ!」
僕は今までの人生で「笑える程旨い物」を口にした事はなかった。
酒にまつわるうんちく、グラスに注いでない、つまみが何もない。
そんな事を全てはねのける「圧倒的な旨さ」を痛感した。

 

その出来事の影響から、僕は卒業シナリオで

「働いた後、仲間と飲むビールって美味しいジャン♪」
って事”だけ”を伝えたい作品を書いた。全くもってノーテンキな作品だ。

 

「カンパイ!」と名付けたその作品は第三十六回の城戸賞の準入賞をいただく事も出来た。

頑張るから最高のビールが飲めるのか、最高のビールが飲めるから頑張るのか。
そんなんはどっちでも良くて、頑張れば頑張るほど良い物が出来て、良い物が出来てビールを飲んで、ビールを飲んで頑張って。
それの繰り返しで人生はスゴく楽しい。
卒業シナリオと同じく全くノーテンキな締め方だが、僕がこの学校で感じた事ってのはそれだ。

 

最後に卒業シナリオの指導をしてくださった港岳彦さんと渡辺千明さんに最大の敬意を払って「カンパイ!」です。

 

本学園ホームページ

>> http://www.eiga.ac.jp/gakkou/news/index.php?id=20101129

 

(日本映画学校 映像科23期生)

 

 

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