2011.10.25

Category:学生

「映画とむきあうこと」久米脩哉(日本映画大学 1年)

 

平成23年10月21日現在、一年次映画制作基礎演習の真最中。
3日後にはクランクイン。
皆、全力を尽くしている。
実際に作る過程を知って初めて分かる。
プロとの差。
自分のちっぽけさに胸がざわめく。
観客のままでいれたらどんなに楽しいだろう。
グチャグチャな気持ちを抱えて今日も学校へ向かう。

 

大学を出て、数年間働いてからこの学校に入学した。
いい年して映画という夢を追いかけている。
この大学で何かを掴みたい。
意気込みだけは人一倍。
でも求めるものが大きいから簡単ではない。

 

プロって何だ。
作り手って何だ。
面白いって何だ。
講師は厳しく突きつける。
何なんだよ!?
逆ギレしたくもなってくる。
悔しさで眠れない日々。

 

夜勤のバイト。
16時間の長丁場。
疲れた体に鞭打ってへいこら働く。
そんな時、郵便受けに届く国民年金の請求書。
1.5か月分のバイト代が消える。
日本の社会は20代後半の男を遊ばせておくようなシステムになっていない。
この世は世知辛い。

 

そんな時に観た『ライフ イズ ビューティフル』
分かっていたけど再確認。
映画が好きだということ。
映画で打ちのめされて、映画に救われる。
映画に始まり映画で終わる。
映画の中でグルグル翻弄されている感じ。

 

映画と向き合うことは苦しい、つらい、疲れる。
でも、この日々は幸せだ。

 

写真撮影:星野貴洋

 

( 日本映画大学 映画学部 1期生)

ページトップへ