2014.08.05

Category:学生

「似ているようで、似てない話」倉地雄大(テレビ東京編成局ドラマ制作部)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は、昔から映画もドラマも大好きだ。
毎週放送しているドラマも楽しみに見ているし、TSUTAYAに行って一度に10本くらい映画を借りてきて見ることも好きだ。
種別問わず“フィクション”を見て育ってきた僕にとって、その2つの差は(尺以外)概してない。
だが、そこにある小さいが大きな違いを、僕はドラマ制作現場からいくつか発見することが出来た。

 

この年になっても新たな発見が出来た喜びを、ここで書き綴ってみたい。(※皆さん、ドラマにも面白いものはありますよ!)

その違いとは―…例えば、映像の明るさだ。
ドラマは、映画に比べて各段に明るく作られている。2014年1月期にテレビ東京で放送されていた「なぞの転校生」。
企画プロデュース・脚本は岩井俊二さん、主演は中村蒼くんだ。このドラマを映画館でオールナイト上映するイベントに携わった際に、その明るさに驚いた。こんなに違うのかと目を見張った。
もし体験してみたい人がいれば、暗幕の部屋でドラマを見てみると分かると思う。
なぜなのかは、少し頭を捻って考えればすぐに分かると思いますが…(恥ずかしながら僕はそのとき初めて気が付いた)。

 

他には―…例えば、選曲・音効。
音打ちに参加していると、ベタに煽る場面では煽る音楽を、驚かせる場面では派手な効果音をつけたりする。
良い悪いは置いておいて、ドラマではあまり“芝居で魅せる”ということをしないのだ。
これは番組のテイストや視聴者層、プロデューサー・監督の好みにもよってだいぶ変わるかもしれないが、これは大きな違いだと思っている。
……まぁこれもすぐに分かる話なのかもしれないが。

 

そして、それらの違いは全て“お金がかかるかどうか”に繋がってくる。
何を当たり前のことを…と思うかもしれない。
映画を見るとき、僕たちはたいてい映画館に出向き、お金を払い、映画を見る。そこには、“この映画を見る”という意思が存在する。
しかし、ドラマは違う。居間にあるテレビから、ただ流れてくる。
テレビの前に座って、番組が始まるのを待っている人たちばかりがお客さんではないし、番組の放送前にブザーが鳴るわけでもない。
メインテーマに始まり、役者の演技、映像の派手さ、CG、音楽など全ての要素をかけて、皿洗いをしている主婦や夕ご飯を食べているサラリーマンの注意を引く必要があるのだ。

そう考えると、テレビドラマは多くのハードルを超えようと試行錯誤して作っているのだなと思った。
もちろん、映画制作も試行錯誤の繰り返しなのだろうけど。

 

 

モノ作りは面白い。
ドラマだろうが映画だろうが、自分が見て育ってきた“フィクション”を送り出す側に立つことが出来た。本当に幸せだ。
だが、いつもどこかで満たされていない。うむ、まだ健全だ。
僕は皆と同じように、いつか自分の作品を世に送り出したいと強く思っている。
それが出来るのか出来ないのか…誰にもわからない。自分の努力と才能と運とタイミングとその他諸々次第だろう。
だから、それまで、いろんな現場で場数を踏み、自分の目線で見極め、いろんな発見を繰り返して、自分なりのアウトプットを出し続けていきたい。
(日本映画大学4期生)

 

▼  携わっているドラマです
テレビ東京系列 毎週金曜夜7時58分放送!
「ラスト・ドクター〜監察医アキタの検死報告〜」
監督:水谷俊之 藤尾隆 金澤友也
脚本:尾崎将也 武田有起 関えり香
出演:寺脇康文 相武紗季 YOU マキタスポーツ 渡部秀  / 渡辺いっけい 梶原善 戸田恵子 伊東四朗 ほか

 

 

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