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【第38回東京国際映画祭】『みんな、おしゃべり!』ワールド・プレミア上映でOB河合健監督と俳優陣が舞台挨拶に登壇

第38回東京国際映画祭(2025年10月27日~11月5日)のアジアの未来部門に正式出品された『みんな、おしゃべり!』が10月30日(木)、角川シネマ有楽町でワールド・プレミア上映され、小澤秀平プロデューサーと俳優陣、そして本学園卒業生の河合健監督が舞台挨拶に登壇しました。

本作では河合監督を含む10名の卒業生がメインスタッフを務めました。

『みんな、おしゃべり!』あらすじ

ろう者の父と弟がいる古賀家と、その街に新しく越してきたクルド人一家が、些細なすれ違いから対立する。二つの家族の通訳として繰り出されたのは、古賀家で唯一の聴者である娘の夏海(長澤樹)と、クルド人一家で唯一日本語が話せるヒワ(ユードゥルム・フラット)だった。二人は次第に惹かれ合っていくが、両者の対立は深まるばかり。そんなある日、古賀家の弟・駿が描いた謎の文字をきっかけに、小さな対立は街を巻き込む問題へと発展、想像を超えた結末へと向かっていくー。

撮影:日本映画大学(以下、同)

左から:河合健監督(日本映画学校23期卒)、長澤樹さん(古賀夏海 役)、毛塚和義さん(古賀和彦 役)
左から:那須英彰さん(江田役)、ユードゥルム・フラットさん(ヒワ役)、ムラット・チチェックさん(ルファト役)、小澤秀平プロデューサー

上映前、会場は温かな拍手に包まれ、登壇者は観客への感謝と作品への思いをそれぞれ述べました。

河合監督は「限られた時間ではありますが、リラックスして楽しんでいってください」と笑顔であいさつ。

長澤樹さんは「短い時間ですが、楽しんでいただけたら幸いです」と主演としての緊張と期待をにじませ、手塚和義さんも「今回が映画初デビューです。ぜひ楽しんでください」と出演の喜びを手話で表現。那須英彰さんは「コメディとして笑えるだけでなく、“言語”という大切なテーマも描かれています」と作品の魅力をアピールしました。

また、ヒワ役を演じたフラットさんも「初めての映画出演で貴重な経験をさせていただきました。少し難しい部分もありますが、きっと楽しめると思います」と語り、国際色豊かな作品の一員としての感謝を述べました。

初上映の喜び、そして作品に込めたことばを超えてつながる楽しさへの思いが感じられる舞台あいさつとなりました。

「アジアの未来部門」石坂健治シニア・プログラマー(本学教授、映画学部長)

最後に鑑賞前の観客に向けたメッセージを求められた河合監督は、多言語映画でいろんな言語が飛び交うという本作の特徴を挙げたうえで、「それぞれの言語でわからない部分がたくさんあると思いますが、知る楽しさというよりはわからないことの楽しさを意識して作ったので、楽しんでいただけたら」と締めくくりました。

映画『みんな、おしゃべり!』は11月29日(土)より東京・ユーロスペース、シネマ・チュプキ・タバタから全国順次公開されます。

手話で"みんな、おしゃべり"を示すポーズ

アジアの未来部門 正式出品『みんな、おしゃべり!』

監督・脚本/河合健(日本映画学校23期 2011年卒)
脚本/河合健 乙黒恭平(同期) 竹浪春花(同期)
撮影/向山英司(同18期 2008年卒)
録音/橋本航太郎(同9期 2023年卒)
編集 /小林由加子(同5期 1993年卒)
助監督/塩崎竜朗(23期 2011年卒)
音効・整音/西條博介(同19期 2009年)
メイキング/田中圭(同25期 2013年卒)
オンライン・エディター/原みさほ(同22期 2010年卒)

上映日時:10/30 [THU] 10:30- 角川シネマ有楽町|11/03 [MON] 18:30- 角川シネマ有楽町
上映詳細はこちらをご確認ください

【一般公開】11月29日(土)
 映画公式サイト https://minna-oshaberi.com/

©2025 “The Chatterboxes” Production Committee
©2025 “The Chatterboxes” Production Committee
映画『みんな、おしゃべり!』予告編

【監督・脚本】河合 健
ろう者を親に持つCODA(コーダ)。日本映画学校(現・日本映画大学)を卒業後、商業映画の助監督として携わる傍ら、自主映画を制作する。
『極私的ランナウェイ』(12)がぴあフィルムフェスティバル2012、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013のコンペに入選。短編二部作品『ひつじものがたり』(15)がニッポン・コネクション2016などで上映される。『なんのちゃんの第二次世界大戦』(21)で劇場公開デビューを果たした。

【監督コメント】
映画の登場人物たちと同じように、日本語・日本手話・クルド語が入り乱れ、ああだこうだと言い合う現場でした。言葉の壁を乗り越えるというよりは言葉の壁を使って遊ぶような日々でした。
みんなが一つになるわけではなく、それぞれにしか分からないこと、譲れないものがあり、それらを受け入れながら進んだ結果、とんでもないものが撮れました。改めて、素敵なスタッフ・キャストに感謝しています。
また、本作では字幕も表現の一部です。いわゆる「バリアフリー」ではなく、「バリア」を活かしたオリジナルの字幕を作りました。それぞれの第一言語を持つ観客にしか見えないもの、感じ取れないものがあり、その“ズレ”や“抜け落ち”こそが、この映画の核になっています。
前の席や隣の席に座る異なる文化・言語を持つ観客の反応も含めて、楽しんでもらえたら嬉しいです。

第38回東京国際映画祭

開催期間:2025年10月27日(月)~11月5日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:https://2025.tiff-jp.net/ja/

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