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日本映画大学の学生が5月9~11日まで第10回学生企画上映会「宙ぶらりん映画祭」を川崎市アートセンターで開催 ― 渡辺紘文監督、森井勇佑監督、島田隆一監督がゲストトーク

日本映画大学(川崎市麻生区)は5月9日(金)~11日(日)まで、川崎市アートセンター(川崎市麻生区)で第10回学生企画上映会「宙ぶらりん映画祭」を開催する。これは、同大の授業「上映企画ワークショップ」の一環として学生たちが主体となって企画したもの。今回は「宙ぶらりん」をテーマに、明確な答えが出ないまま、曖昧な状態に置かれた登場人物や関係性を描いた9本の作品をセレクトし上映する。なお、9日(金)の『普通は走り出す』上映後に渡辺紘文監督、10日(土)の『こちらあみ子』上映後は森井勇佑監督、11日(日)の『ドコニモイケナイ』上映後には島田隆一監督によるトークショーを予定している。入場料は一般1,300円、学生500円。チケットは鑑賞の3日前より購入可能(窓口9:00~、オンライン10:30~)。

  • 第10回 日本映画大学 学生企画上映会「宙ぶらりん映画祭」

    【日 程】 2025年5月9日(金)~11日(日)
    【会 場】
     川崎市アートセンター映像館 (https://kawasaki-ac.jp/movie/ )
    ・アクセス:神奈川県川崎市麻生区万福寺6-7-1 ※小田急線・新百合ヶ丘駅北口・徒歩3分
    【入場料】 一般:1,300円/学生:500円
     ※各種割引なし・シネマ会員ポイントあり
     ※チケットは鑑賞の3日前より購入可能(窓口9:00~、オンライン10:30~)
    【主 催】 日本映画大学上映企画ワークショップ
    【共 催】 川崎市アートセンター
    【上映協力】
     trenova inc./一般財団法人草月会/SPOTTED PRODUCTIONS/クレプスキュールフィルム/アークエンタテインメント/A PEOPLE/鎌田英嗣、JyaJya Films/NEOPA Inc./ザジフィルムズ
    【URL】 https://www.eiga.ac.jp/eigadaifes/2025/

    【上映スケジュール】
    ■5月9日(金)
    ○14:30~
    『皆殺しの天使』(1962年/メキシコ/白黒/スタンダード/95分/DCP)
    ・監督:ルイス・ブニュエル
    ・出演:シルヴィア・ピナル、エンリケ・ランバル、ジャクリーヌ・アンデレ、ルシー・カリャルド、エンリケ・G・アルバレス

    ○16:30~
    『他人の顔』(1966年/日本/白黒/スタンダード/122分/35mm)
    ・監督:勅使河原宏/原作:安部公房
    ・出演:仲代達矢、京マチ子、入江美樹、平幹二朗、岸田今日子、岡田英次

    ○19:00~
    『普通は走り出す』(2018年/日本/白黒/16:9/107分/Blu-ray)
    ・監督:渡辺紘文
    ・出演:渡辺紘文、萩原みのり、古賀哉子、加藤才紀子、ほのか、黒崎宇則、永井ちひろ、久次璃子、平山ミサオ、松本まりか
    ★上映後トーク: 渡辺紘文(映画監督)

    ■5月10日(土)
    ○14:30~
    『システム・クラッシャー』(2019年/ドイツ/カラー/ビスタ/125分/DCP)
    ・監督:ノラ・フィングシャイト
    ・出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ

    ○16:55~
    『こちらあみ子』(2022年/日本/カラー/ヨーロピアンビスタ/104分/DCP)
    ・監督:森井勇佑/原作:今村夏子
    ・出演:大沢一菜、井浦新、尾野真千子
    ★上映後トーク: 森井勇佑(映画監督)

    ○19:30~
    『台風クラブ4Kレストア版』(1985年/日本/カラー/ビスタ/115分/DCP)
    ・監督:相米慎二
    ・出演:三上祐一、紅林茂、松永敏行、工藤夕貴、大西結花

    ■5月11日(日)
    ○14:30~
    『ドコニモイケナイ』(2011年/日本/カラー/4:3/86分/Blu-ray)
    ・監督:島田隆一
    ・出演:吉村妃里
    ★上映後トーク:島田隆一 (映画監督/日本映画大学准教授)

    ○16:50~
    『PASSION』(2008年/日本/カラー/ビスタ/115分/DCP)
    ・監督:濱口竜介
    ・出演:河井青葉、岡本竜汰、占部房子、岡部尚、渋川清彦

    ○19:10~
    『こわれゆく女』(1974年/アメリカ/カラー/ビスタ/147分/DCP)
    ・監督:ジョン・カサヴェテス
    ・出演:ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク、マシュー・カッセル

《企画趣旨》
 この上映会は日本映画大学の3~4年生が受講する授業「上映企画ワークショップI・II」の仕上げとなるイベントです。担当教員の私は今年からの新参者で、大学も、この町も、まだ右も左もわからぬ「宙ぶらりん」な状態です。さまざまな映画の中にある「宙ぶらりん」を観て、ほっと一息ついてみる。彼らの掲げたコンセプトはまさに私のような人に必要なのかもしれません。皆様もぜひ、映画館で宙ぶらりんを楽しんでみてください。
(日本映画大学 マネジメントコース・准教授 菅野和佳奈)

《企画リーダーから観客の皆さまへ》
 映画館で心地の良い宙ぶらりん体験を
 今年のテーマは「宙ぶらりん」です。この語を辞書で引いてみると「空中にぶら下がった状態。どっちつかずで中途半端な状態」と出ます。どうやらあまり良いニュアンスでは使われない言葉のようです。確かに昨今よく聞くようになった「タイパ」や「コスパ」が重要な世界では、どっちつかずで中途半端なヤツなど単なる足手まといかもしれません。
 しかし、私は映画館という暗闇の中で映画を観ている時に、そういったネガティブな雰囲気ではなく、むしろ心地の良い「宙ぶらりん」を体験することがあります。それはきっと映画を観る際に、主人公を善悪でジャッジするために観に行く人が少ないように、映画側も私たちをジャッジしようとはせずただそこに在るだけだからではないでしょうか。映画を観ている時の沈黙には、タイパやコスパでは取りこぼすような、雄弁で豊かな語りが溢れているはずです。
 ということで、今回の映画祭ではそんな「宙ぶらりん」を皆さまに存分に堪能していただくために、一見すると「曖昧」や「よく分からない」、「そういう世界もあるよね」という言葉で片付けられてしまうような状況や関係性、主人公の映画を9本セレクトしました。善悪や常識では語れないような不思議な魅力に満ちあふれた映画たちによって、少しでも自分の心の声、自分の呼吸のリズムに耳を傾けてもらえたら幸いです。
(文芸コース4年 桑原杏奈)
※チームメンバー:五反田愛果、森本哲平、陳己男、大塚笑唯、成瀬希望花、中村怜、吉原匠汰朗、髙田龍太郎、栁田恵里、迫間未唯奈、高橋壮太、菊池暁、小泉摩奈

《メッセージ》
 川崎市アートセンターでの学生企画上映会も、早いもので10回目を迎えた。これまでのテーマは、団地、夫婦、親子、ディストピア、ライプ、手紙、花盛り、逃亡、花火と爆弾、ときて、今回は宙ぶらりんである。そういえば日本映画大学が誕生した2011年の春、お隣の昭和音楽大学作曲科とのコラボで『ロイドの用心無用』に音楽を付けてもらい、オペラハウスでオーケストラ付きの開学記念イベントをやったのを思い出した。あれも摩天楼の時計台の針に引っかかった主人公をはらはらしながら見守る究極の宙ぶらりん映画だったなあ。本当にTime Fliesである。
(日本映画大学教授・映画学部長/東京国際映画祭シニア・プログラマー 石坂健治)

▼上映会に関する問い合わせ先
 川崎市アートセンター
 TEL: 044-955-0107(月曜休館)

▼本件に関する問い合わせ先
 日本映画大学 入試・広報部
 TEL: 044-951-2511
 E-mail: info@eiga.ac.jp

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