「卒業制作」上映会に向けて映画の興行・配給・宣伝を学ぶ授業の一環として12月18日、映画『キノ・ライカ 小さな町の映画館』上映&ヴェリコ・ヴィダク監督トークを実施しました。
本作は、フィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキが仲間たちと作った映画館「キノ・ライカ」をめぐるドキュメンタリー映画で、12月14日より渋谷・ユーロスペースほか順次公開中です。
本学にヴィダク監督をお招きしたこの度の特別公開授業では、映画の上映後に監督によるレクチャーとQ&Aをおこなっていただき、学生たちにとってまたとない学修の場となりました。
作品紹介と監督プロフィール
■ 『キノ・ライカ 小さな町の映画館』(2023年/フランス・フィンランド/81分)
北欧フィンランドの鉄鋼の町カルッキラ。深い森と湖と、今は使われなくなった鋳物工場しかなかった小さなその町に、はじめての映画館「キノ・ライカ」がまもなく誕生する。
自らの手で椅子を取りつけ、スクリーンを張るのは映画監督のアキ・カウリスマキと仲間たち。
キャデラックにバイク、ビールと音楽。まるでカウリスマキの映画から抜けでたような町で、住人たちは映画館への期待に胸をふくらませ、口々に映画について話しだす…。
これは豊かな自然のなかで芸術を愛して暮らす人々の、映画とカルッキラという町への想いをめぐる物語。そこにはカウリスマキの理想の映画館「キノ・ライカ」が町にもたらした変化の兆しと、これからの映画館の可能性がとらえられている。
カウリスマキ作品でおなじみの俳優やスタッフ、そして盟友ジム・ジャームッシュも登場する、映画愛にあふれたカウリスマキからのプレゼント。
■ 監督・脚本・撮影・編集/ヴェリコ・ヴィダク
クロアチアの美術家、映画監督。クロアチアのダルマチア・ヒンターランドで、学業と家族の農場での仕事を両立させながら育つ。
ユーゴスラビア紛争中に大学の史学科に通いながらザグレブ大学芸術アカデミーを受験、同アカデミーを画家として卒業した。
その後、奨学金を得てパリ国際芸術都市に研究員として滞在。そこで映画でしか見たことがなかったパリのエネルギッシュな文化に魅了されてパリに永住することを決意する。シネマテーク・フランセーズに足しげく通い映画への造詣を深めた。
フランスや世界で個展を行いながら、パリの映画学校で映画制作を学び、短編、中編映画を制作。『キノ・ライカ 小さな町の映画館』は自身初のドキュメンタリー長編作品である。現在はパリ在住。