NOW LOADING
2019|26min|ドラマ
高校三年生の真央と遙。「いつか高いところから一緒に飛び降りよう」と理想の場所を話し合うのは、ふたりだけの大切な時間だった。いつも待ち合わせをしている歩道橋で飛び降り自殺があった。残された血の染みに、ふたりは焦る。先を越された……。そしてある日、真央は遙の手をとった。「一緒にいこう」と。遙は、互いの“特別な思い”の違いを感じながらもその手を握り返す。ふたりが焦がれた世界には、どんな景色が広がっているのだろう――――。
——とある女子高に通う17歳の佐々木真央と皆本遙。ふたりでだけでいること、そしていつか一緒に死ぬこと、それが彼女たちの希いだった。「いつか一緒に高いところから飛び降りよう」。そんな話をするのは、ふたりにとってとても大切な時間だった。けれど、ある事件をきっかけに互いの気持ちにかすかな違いが見えはじめる。真央が自らの気持ちを証明するために差し出した手を、遙は戸惑いながらも握り返す。ふたりが向かったさき、そして、ふたりが望んだそのさきに広がる光景とは……。
記憶は鮮明だけど、今はもう過ぎ去ってしまった時間——真央と遙という高校生たちの物語を「いまだからこそ書けた」と語るのは脚本家の坪井里緒。そして、脚本には書かれていないふたりの雰囲気や目には見えない気持ち、それらを映像へと結晶させたのは監督の石川恭彰。石川は、ふたりのささやかなすれ違いは、儚く切実なものだと作品を見てくれた人にきちんと伝わるように、丁寧に作品を撮ることを徹底した。真央を演じた金井美樹、遙を演じた杉本桃花も、その考えに寄り添い、時にはぶつかり合いながら、「ふたりの世界」をよりリアルに作り上げていった。さらに、夏特有の空気や眩しさが、ふたりの死への憧れを加速させていく。
お互いを本気で想い合い、信じ合い、永遠を希ったふたりの一夏を描いた『死ねないわたしたち』、きっとあなたも大切な誰かを思い出すだろう。
金井美樹
杉本桃花
上村歩未
遊馬萌弥
近藤笑菜
斉藤結女
大山真絵子
大石菊華
石川凌
安藤拓哉
監督:石川恭彰
プロデューサー:奥村駿
脚本:坪井里緒
撮影:志田有利
照明:田中丈尊
録音:村嶋紀之
編集:石川貴大
記録:多田日向子
助監督:唐仁原朝乃
演出助手:山川凌他、栗田陸
制作:戸塚龍之介、コナー・シェイ・ピルキントン
撮影助手:小椋結貴、国兼祐花
録音助手:伊藤雪成、吉田篤史、岡本彗夢
編集助手:和田勇一、田村美桜、多田日向子
特殊メイク:中島千裕
車両:清水健司
ライフセーバー:PWRSports
音楽:青山涼
制作応援:今村嶺、大平樹、小野志穂、杉本阿蘭、杉山卓、坪井里緒、西田直仁、平野武周、藤﨑空
撮影応援:小田高裕
録音応援:朴乙彬
キャスティング協力:株式会社テンカラット、Bites.inc、株式会社サンミュージックブレーン、(株)テアトルアカデミー、(株)オフィスマイティー、有限会社ハーモニック
ロケ地協力:たちかわ創造舎、Café Han、唐仁原家、橘高潤、茨城海浜鉄道、神奈川県立大和南高等学校、和田長浜海岸 海の家『マリン』『松波』
車輌協力:バルクレンタカーアンドセールス
衣装協力:株式会社 第一衣裳
グレーディング協力:(株)IMAGICA 山口登
機材協力:有限会社特殊映材社
エキストラ協力:江崎志織、落合亜寿嘉、小野志穂、木村菜々子、国兼由妃乃、関麻衣子、坂下友梨、三枝幸恵、杉本阿蘭、須崎賢一、坪井瑠莉、冨山綾佳、根本来乃実、萩野亜蘭、畑川貴恵、羽根瑞、藤﨑空
special thanks:立川市吹奏楽団、たちかわ創造舎 長田様、ひたちなか海浜鉄道 大谷様、東京都品川区立第四日野小学校 島崎様
まず、卒業制作で、監督を務めることができ大変光栄に思っております。
この作品を制作するにあたり僕が監督として大事にしたのは、真央と遥のふたりの雰囲気です。成熟しきれていない繊細な心の機微、ふたりが一緒にいる時の世界を作ることがこの作品の中で大切だと思ったからです。それを、主演の金井美樹さん、杉本桃花さんは体現してくれました。
真央と遥はお互いにとって大切な存在で、ふたりの世界に行きたいと願い相手を想うけれど、心の深い部分に踏み込めないことに悩み葛藤します。僕らも大切な人に踏み込めない部分があると思います。でも相手のことを想いどうにかしたいと行動します。時にそれは間違ったことになってしまうこともある。だけれど、その時は何が正解で、何が間違っているかなんて誰にもわからない。もしかしたら、間違っていたとしてもいいのかもしれない。その瞬間に自分も含め相手と一緒なら大丈夫なんだと思えるように。そんな思いで、ふたりを描いていきました。
僕は、映画を学び始め、講師の方たち、先輩、先人達に刺激されながら、必死に4年間頑張ってきました。でもまだ足りなくて、まだ何者にもなれていません。苦しみ、傷つき、もがきながらスタッフ、キャストの助けや支えを受けてこの映画は完成しました。参加してくれたスタッフ、キャストへの感謝の気持ちでいっぱいです。これから先、何が正解かなんてわからない曖昧な現実が僕らを襲うけれど、突き進んで、突き進んだ先で立ち止まって、時には振り返ってまた歩んでいきます。
まだ何者にもなれていない僕らが作った映画ですが、見て頂いた皆さんの心を動かし、何か受け取ってもらうことができたら幸せです。