ドキュメンタリーコースの授業「作品研究」の一環として9月28日、映画『長江にいきる 秉愛の物語』上映と馮艶(フォン・イエン)監督をオンラインでお招きしたトークを実施しました。
本作は山形国際ドキュメンタリー映画祭2007「アジア千波万波部門」小川紳介賞(グランプリ)を受賞したドキュメンタリー映画です。
上映と監督のお話を通して、学生たちは大きな刺激を受けながら学びを深めることができました。
あらすじ『長江にいきる 秉愛の物語』(2007年)
中国一の大河・長江でダム建設工事が推し進められ、周辺の海抜の低い家々の住人達は移住を余儀なくされていた。体の弱い夫と育ち盛りの子供たちを養うビンアイは、移住に頑固に抵抗するが、一家は次第に追い詰められていく……。学もコネもなく、ただつつましやかに暮らしていた女性ビンアイが、移住計画を推し進める国に対し、抵抗し続けた7年間を記録したドキュメンタリー。
■ 馮艶(フォン・イエン)監督
1962年天津生まれ。天津の大学で日本文学を学んだ後、日本に留学。1988年から13年間日本に滞在し、京都大学大学院経済学研究科博士課程で農業経済学を研究する。
1993年の山形国際ドキュメンタリー映画祭でドキュメンタリー映画作家小川紳介 (1935~1992)の語りを収録した 『映画を穫る―ドキュメンタリーの至福を求めて』(山根貞男編集 ・筑摩書房)と出会い、触発されて中国語に翻訳し台湾で出版する。1994年、映像ジャーナリストの集団アジアプレス・インターナショナルに入り、写真とビデオ制作を学び、ドキュメンタリー製作を開始。学校に行けない子どもたちや、三峡ダムで水没する長江沿岸部など中国農村部の人々の暮らしを撮り続ける。『長江の夢』(1997, 85分)が初長編作品。現在三峡移民を描く一連の作品群の集大成となる『長江の女たち』(仮題)の編集中。